【2016を読む】日本は“世界屈指のロボット社会”を実現できるか…サービスロボット編 画像 【2016を読む】日本は“世界屈指のロボット社会”を実現できるか…サービスロボット編

インバウンド・地域活性

 先端技術の象徴として脚光を浴びるロボット―。未来の日本を担う次世代産業に、国も熱い期待を寄せる。政府の主導で産学官の共同体「ロボット革命イニシアティブ協議会」が2015年に発足。世界屈指のロボット利活用社会を目標に、大きなうねりが生まれつつある。また、民間レベルでもロボットビジネス拡大に向けた取り組みは活発になっている。16年は、さらなる飛躍が求められる年だ。サービスロボットと産業用ロボット、双方の新たな潮流が注目されている。

法人需要取り込み
 サービスロボットの分野では、人と対話できるコミュニケーションロボットの普及が16年に進みそうだ。ソフトバンクは人型ロボット「ペッパー」の法人需要開拓を本格化する。人型ロボット「PALRO(パルロ)」を介護施設向けに展開する富士ソフトも受け付け業務やプレゼンテーションなどの用途を開拓する意向だ。

 圧倒的な広告戦略や話題性で、すっかり認知されたペッパー。今後は店頭でのデモンストレーションや接客業務、マーケティング活動などの利用を主とした法人需要を取り込み収穫期に入る。

 具体的には15年10月に立ち上げた法人事業「ペッパー・フォー・ビズ」を拡充。ペッパーを導入しやすいよう、法人利用で必要な機能を集めたアプリケーション(応用ソフト)のストアを16年内に新設する。まずは使い勝手の良い10ほどのアプリに絞り、有料提供する予定という。

 アプリの開発は外部と連携しソフトバンクが支援する。外部企業がアプリ開発することで、自社単体での開発の負担を減らし、用途開発も迅速化させる。例えるなら、スマートフォンがペッパーで、スマホ向けアプリを外部が開発しているのと同じ関係になる。

 また、高齢者介護施設での活用も狙う。実際に体操などのイベントで活用した実験では参加者から好感を得ている。多様な業種での利用が期待できるだけに、ペッパーのアプリをどれだけ増やせるかが勝負になりそうだ。

 富士ソフトは得意とする介護施設向けに加え、銀行や一般企業への展開を進める。営業とマーケティングの人員を現状の約3倍に増やし新規分野の開拓にも力を入れる。

 まず狙うのは、富士ソフトのソフトウエア開発など「本業」が得意とする金融系。すでに案内役として常陽銀行に“入行”したほか、肥後銀行は小学生の金融教育をパルロが行うイベントを行った。こうしたケースでの採用を増やしたいという。

 引き続きパルロの機能も高める。音声認識をはじめ会話に必要な機能はまだ満足とはいえない。研究開発投資を継続し、機能を高めていくという。

 高齢者福祉向けのパルロは、15年12月にモデルIIを追加し“進化”した。肩ならし体操や足ならし体操などできる動きを追加したほか、肘と肩甲骨の部分にアクチュエーターを追加。頭部のLEDにも色を追加し、動きと表現力を増した。こうした進化を続けつつ、高齢者福祉施設向けで活躍するロボットのデファクトスタンダードを目指す。

アマゾンやイオンでもロボット販売
 また、家庭向けでは小売店側も動きだしている。アマゾンジャパン(東京都目黒区)がインターネット通販サイト「アマゾン」でユカイ工学(東京都新宿区)の「ボッコ」などコミュニケーションロボットの取り扱いを開始。総合スーパー(GMS)のイオンも、DMM.com(東京都渋谷区)が扱う「パルミー」などの販売を始めた。

 さらに百貨店でも従来の玩具寄りとは違う、本格的なコミュニケーションロボットを取り扱う動きが出ている。

 ロボット販売の関係者は「ロボットは動きがあり、店でも来客の目を引く。未来感という、これまでの小売店になかった印象を与えるのも利点」と“ブーム”を解説する。

 数年後には本当に、ロボットが一家に一台の世界が実現するかも知れない。

【2016を読む】日本は“世界屈指のロボット社会”を実現できるか

《ニュースイッチ by 日刊工業新聞》

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