新年・行政業界展望1…労務単価引上4回目の効果は 画像 新年・行政業界展望1…労務単価引上4回目の効果は

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 建設経済研究所と経済調査会が昨年10月に発表した建設投資見通しは、15年度が前年度比3・2%減の49兆6700億円、16年度が1・9%減の48兆7400億円。2年連続の減少予測だが、4日に招集される通常国会で論戦が始まる15年度補正予算案や16年度当初予算案の公共事業費がどの程度の効果となって表れるかが注目される。
 昨年9月に閣議決定した第4次社会資本整備重点計画では、現場の担い手の確保・育成の観点から、公共投資を急激に増減させず、安定的な見通しの下で「着実に実施」するとした。16年度予算は計画に基づく初弾の編成であり、今後の試金石にもなる。
 担い手確保・育成に関連して、公共工事設計労務単価の次期改定も建設業界の大きな関心事となっている。13年4月に全職種・全国平均で過去最大の15%引き上げが行われ、14年2月、15年2月と3回の改定を経て、12年度比で28%上昇した。前回、前々回とも2月のタイミングで改定されたため、次の改定がいつ、どれくらいの幅になるかが気になる。
 石井啓一国土交通相は、昨年12月の国会答弁で技能労働者の社会保険加入を徹底させるため、過去3回の労務単価改定と同様、法定福利費相当額の加算措置の継続を表明。労務費調査で把握する実勢価格に法定福利費を上乗せさせる形で単価を決定する考えを示しており、4回目の単価上昇へ効果が期待される。
 社会保険については、企業単位で許可業者の100%、労働者単位で製造業並みとする目標の17年度まで残り1年。目標達成へ、加入率が下請次数が下がるほど加入状況が低い状況をどう克服するかが課題だ。
 昨年8月、社会保険の加入を証明するツールにもなる「建設労働者の経験が蓄積されるシステム」構築に向けた官民コンソーシアムが発足。17年度の本格運用開始に向けて3月に行う中間とりまとめで、費用負担を含めて大手から中小まで納得する形のシステムのあり方が求められる。
 昨秋以降、建設産業行政は、施工データ流用が発覚した基礎杭工事問題の対応に追われてきた。有識者委員会が年末にまとめた再発防止策では、建設工事の構造的課題も指摘され、今後、重層化を含めたそのあり方の議論が進められる。
 現場の生産性を抜本的に向上させようと国交省が打ち出した「i-Construction」の下、全工程で情報通信技術(ICT)を活用する動きも加速しそうだ。

16年元日号/行政・業界展望・1ー建設投資と建設産業行政/労務単価引上4回目は

《日刊建設工業新聞》

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