社保加入促進へ官民協が申し合わせ、「道半ば」の認識共有 画像 社保加入促進へ官民協が申し合わせ、「道半ば」の認識共有

マネジメント

 国土交通省が建設業許可業者の社会保険加入率100%の達成を目指す17年度まで1年余となり、国交省と関係業界団体は取り組みの強化に向けてアクセルを踏む。同省と84の関係団体が参画する「社会保険未加入対策推進協議会」(会長・蟹澤宏剛芝浦工業大教授)は18日、未加入対策の徹底をあらためて申し合わせた。法定福利費を内訳明示した見積書の活用は広がるが、都市部や2次以下の下請の加入率は依然低い。協議会は「道半ば」との認識を共有し、目標達成への決意を新たにした。
 申し合わせ文書では「社会保険未加入は許さないとの固い決意を持って社会保険加入を徹底する」と明記。「技能労働者の確保と事業者間の公正で健全な競争環境の構築を目指す」とした。
 未加入対策の柱は技能労働者が社会保険に加入するための原資となる法定福利費の確保。国交省は、法定福利費を内訳明示した見積書の活用状況に関する実態調査結果を協議会に提示。11月時点の調査(約3000社が回答)では、下請企業に内訳明示の見積書を提出するよう指導した元請企業は40・6%と前年度より18・3ポイント増加していた。さらに「内訳明示はしないが、法定福利費を含んだ見積書の提出を指導した」との回答を含めると8割に達している。
 国交省は「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」を4月に改定し、内訳明示の見積書の提出を下請企業に対する見積もり条件に明示することを盛り込んだ。すべてまたは一部の見積もり依頼で条件にしている元請企業の割合は全体の56・6%で、ガイドライン改定の効果が初めて確認された。
 一方、下請企業が内訳明示の見積書を提出しない理由で最も多かったのは、「注文者(元請企業)から提出指示がなかった」で、68・8%の下請企業に及んだ。
 下請企業の従業員が未加入だった場合、「未加入のまま現場入場を認めている」と答えた元請企業は28・7%で、前年の35・7%より減少した。
 全国の建設業者約1万4000業者を対象に国交省が実施した15年度の「下請取引実態調査」によると、健康保険の加入率は95・0%(前年度94・7%)、年金は97・5%(同97・0%)、雇用保険は96・2%(同95・8%)と前年度より上がってはいるが、伸びは緩やかだ。未加入企業のうち「今後加入する」と答えたのは52・1%で、依然として4割以上の企業が加入方針を示していない。現在、未加入の企業は東京など都市部の企業や2次以下の下請企業が多いとされている。
 主に民間工事を受注している企業の加入促進も鍵を握る。国交省は、来年4月にも民間工事を施工している企業の加入状況調査を実施し、企業別、労働者別、地域別の状況を把握する方針だ。

社保加入促進へアクセル/官民協が申し合わせ/「道半ば」の認識共有

《日刊建設工業新聞》

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