国交省、長周期地震動対策で要改修ストックは400棟 画像 国交省、長周期地震動対策で要改修ストックは400棟

インバウンド・地域活性

 国土交通省は、南海トラフ巨大地震が起きた場合の長周期地震動で、最上階で最大6メートルの横揺れが想定される超高層ビル(高さ60メートル以上)の安全対策を強化する。今後の新増築・改築では構造設計の大臣認定制度を見直し、新たに構造設計の前提となる長周期地震動の波形を設定し固定化。既存ビルの対策では、特定行政庁を通じて建築主に対し、改修を行うことが望ましいことを伝える。現時点で要改修ストックは400棟程度あるとみている。
 石井啓一国交相が18日の閣議後の記者会見で表明した。南海トラフ地震の長周期地震動への安全対策を強化する超高層ビルの対象エリアは、内閣府が17日発表した超高層ビルの横揺れ推計で特に揺れが大きくなるとされた3大都市圏(東京、名古屋、大阪)や静岡県での新増築・改築計画と既存ストックの改修。全国にある超高層ビル全約3000棟のうち、このエリアに約2000棟が集中している。
 国交省は、今回まとめた安全対策強化案に対する一般からの意見を来年2月29日まで受け付ける。その後、一定の周知期間を経て、16年度中に実施に移すことを目指す。
 安全対策強化案によると、今後の超高層ビルの新増築・改築では、建築基準法で建築主に義務付けている構造設計の大臣認定制度の運用を見直す。現在は、建築主が自由に選択できることになっている長周期地震動の波形について、南海トラフ地震を想定して継続時間8分20秒以上の長周期地震動をモデルに波形を設定し、これを設計に使うよう義務付ける。
 このほか、建築主には、長周期地震動で懸念される超高層ビル内の家具の転倒防止策に対する設計上の措置について新たに説明を求めるようにする。免震・鉄骨造の超高層ビルについては、長時間の横揺れの繰り返しで懸念される累積変形による影響を構造設計で考慮することも新たに求める。
 既存ストックの対策では、特定行政庁を通じ建築主に改修を要請し、安全性能の再検証を求めていく考え。国交省の推計では、大阪府咲洲庁舎(高さ256メートル)がある大阪湾岸で最大6メートルの横揺れが想定される近畿エリアにあるストックを中心に約400棟で改修が必要になるとみている。

国交省/構造設計の認定見直しへ/長周期地震動対策、要改修ストックは400棟

《日刊建設工業新聞》

編集部おすすめの記事

特集

インバウンド・地域活性 アクセスランキング

  1. 高い評価の新潟米「新之助」、強気の値段設定はおいくら?

    高い評価の新潟米「新之助」、強気の値段設定はおいくら?

  2. ブランディングに失敗した日本遺産の活かし方

    ブランディングに失敗した日本遺産の活かし方

  3. 横浜スタジアムの増築改修、オリンピックを踏まえ6000席増設へ

    横浜スタジアムの増築改修、オリンピックを踏まえ6000席増設へ

  4. ~地方発ヒット商品の裏側~岐阜の油問屋と和菓子職人が手がけた「大地のかりんとう」

  5. 五輪後の建設市場は「減少」か「横ばい」…アナリストに聞く

  6. 札幌駅北口周辺で再開発計画、50階建てビルは道内最高層!

  7. 宮城県の松島水族館跡地活用、観光複合施設に/事業者は丸山

  8. 熊本地震で被災した阿蘇神社の復旧工事、楼門解体作業が大詰め

  9. 大手町二丁目再開発、東京駅日本橋口で高さ日本一の大型開発が始動!

  10. 神奈川大学「みなとみらいキャンパス」、街と大学がつながる都市型を構想

アクセスランキングをもっと見る

page top