AR応用し水中作業をリアルタイムで可視化、東亜建設工業が開発 画像 AR応用し水中作業をリアルタイムで可視化、東亜建設工業が開発

IT業務効率

 東亜建設工業は16日、海洋工事向けに、現実の世界に仮想的な情報を付加提示する技術(AR)を応用した水中作業の可視化システムを開発したと発表した。音波を用いて海底地形や構造物を計測する3次元(3D)ソナーの映像と3D設計モデルを組み合わせる。水中での計測結果をリアルタイムに3D表示できるようになり、作業効率と施工精度の向上につながる。作業船に搭載し、グラブ浚渫工やブロック据え付け工などで水中部の出来形管理や構造物の形状計測に役立てていく。
 海洋工事の施工管理では、海面から海底までの測深データの収集が欠かせない。広範囲を面的に捉えるため、音響ビームを扇状に発射・受信しながらデータを集めるナローマルチビーム測深機を用いるのが一般的だが、測量船で対象範囲を航行する必要がある。データのノイズ除去や重ね合わせなどの解析作業を伴い、リアルタイムでのデータ処理ができない点も課題とされる。
 開発したシステムは「Beluga(ベルーガ)-AR」。コーダオクトパス社製の3Dソナー「Echoscope」を採用した。50度×50度の範囲に128本×128本のビームを照射でき、最大150メートルまでの計測を可能にした。
 ビーム幅を24度×24度に切り替えることも可能で、より詳細な計測が可能。パンチルト装置(水平・垂直方向への首振り装置)を併用することで、さらに広域の可視化もできるという。
 パンチルト装置でソナーを起伏・旋回させた場合、視認可能な範囲はビームが照射された箇所に限定され、画角から外れた範囲の状況は把握できない。新システムでは、パンチルト装置で取得した角度情報を利用し、視準している部分を最新情報、それ以外の部分を過去の残像として表示することで広範囲の可視化を可能にした。潜水士やつり荷の位置を把握するのに有効で、接触事故の防止につながる。
 自動ノイズ除去機能を備え、水中のリアルタイムな作業状況を鮮明な3D映像で把握できる。3D設計図面と重ね合わせて表示することで、精度の高い施工につながることが期待されている。
 今後、積極的にシステムを導入し、実績を積み重ねるとともに、CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)への展開も視野に機能拡充を進める。

東亜建設工業/水中作業の可視化システム開発/AR応用、ソナー映像と3Dモデル融合

《日刊建設工業新聞》

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