新国立競技場の事業者選定が大詰め、アスリートから意見聴取を開始 画像 新国立競技場の事業者選定が大詰め、アスリートから意見聴取を開始

マネジメント

 2020年東京五輪のメーン会場となる新国立競技場整備の事業者選定作業が大詰めを迎えた。整備主体の日本スポーツ振興センター(JSC)は、14日に応募者による技術提案書を公表したのを受け、ホームページ上で国民からの意見募集を開始。15日からはアスリートなど関係者への意見聴取も始めた=写真。19日には技術提案審査委員会(委員長・村上周三東京大学名誉教授)で技術提案書の審査結果が出され、これらを総合的に勘案して、JSCの大東和美理事長が事業者候補を選定する。
 14日に公表された応募2案は、いずれも「杜のスタジアム」がテーマ。工事費(税込み)はA案が約1490億円、B案が約1497億円でいずれも要求水準書で示した1528億円の上限額を下回る金額。完成予定も双方とも19年11月末と、20年1月末とする努力目標を達成し、いずれも要求水準で最も重視する工期とコスト縮減への要請を満たす提案となった。
 施設計画では、A案は木の集成材と鉄骨トラスを組み合わせた屋根構造として木材を積極的に活用するほか、屋根の高さを抑えるなどして周辺への圧迫感を軽減。B案は屋根を支持するため、スタンド最外周を純木製の柱で囲み、神社や仏閣をイメージさせる外観とした。
 いずれの案も政府の新国立競技場整備計画で示す「神宮外苑の景観・環境」や「日本らしさ」に対する配慮が色濃く見られる内容。14日の記者会見でJSC理事の池田貴城新国立競技場設置本部長は「2案とも総工費や工期など必須の要求水準をクリアしている。限られた時間の中で、要求水準を満たすものが出てきてほっとしている」と述べた。
 一方、事業者候補の選定に当たっては、整備計画で示す「審査の透明性の確保」「アスリートファースト」の方針を踏まえ、ホームページ上での国民意見の募集やアスリートへの意見聴取を実施。いずれの意見も審査委員会の審査には反映されないが、審査委員会の審査結果を踏まえてJSCが事業者候補を決める際の材料となる。事業者選定後の建築計画にも可能な限り反映させたい考えだ。
 15日に始まったアスリートへの意見聴取は、初日の日本陸上競技連盟、日本オリンピック委員会の2団体を皮切りに17日まで行う予定。15日に意見交換を終えた陸上競技連盟の横川浩会長は「工期も短縮され、どちらも立派な案と感じている」と評価し、選手や観客の動線確保や暑さ対策に万全を期するよう要望した。
 事業者候補の選定では、これらの結果を総合的に勘案して、19日以降に大東理事長がJSCとしての最終判断を下す予定。その結果を22日に開かれる予定の関係閣僚会議に諮り、正式に決定するという流れが有力だ。

新国立競技場/事業者選定大詰め/スポーツ振興センター、アスリートから意見聴取開始

《日刊建設工業新聞》

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