【地方発ヒット商品の裏側】海外アパレルも注目する世界一薄いシルク「フェアリー・フェザー」 画像 【地方発ヒット商品の裏側】海外アパレルも注目する世界一薄いシルク「フェアリー・フェザー」

インバウンド・地域活性

 一方で、フェアリー・フェザーは世界一薄いという特性から、逆に工業資材としても注目を集めることになる。例えば、徳島大学医学部からのオファーとしては、シャーレに敷く素材としてのオーダーがあったという。同医大ではフェアリー・フェザーを使うことで、再生医療に向けた細胞の培養に成功し、その成果が15年夏の学会で発表された。

 また、紫外線を吸収するシルクの特性についても、その強度が増す高高度を飛ぶ飛行機に向けた素材として注目されているようだ。実際にボーイング社では飛行機の外壁素材として、薄くて軽いフェアリー・フェザーが利用できないかと検討しているという。その他、水をろ過することで無菌状態を作る、人工血管などに応用するなど、フェアリー・フェザーの応用範囲は幅広い。

■フェアリー・フェザーで新たなビジネスを生み出す

 12年9月、齋栄織物ではコーポレートブランド「SAIEI SILK」を立ち上げた。目的は自社ブランドとしてスカーフを商品化し、新たにB to Cへと打って出ること。13年2月には日本橋三越のストール売り場をすべて川俣シルクで独占し、予定量の3倍の売り上げを記録した。

 その後もSAIEI SILKのスカーフについては、ルミネが受付スタッフの制服として採用。15年11月からはポーラ化粧品のノベルティとして利用されている。

 「モノづくり日本大賞を受賞したあたりから、社内のモチベーションは大きく上がりました。ある社員は『お母さんの子供で良かった』と娘に言われ、それを誇りに思うようになったと言います」

 世界一薄く、そして軽いシルクの開発は、齋栄織物という会社の体質に大きなインパクトを与えた。その動きは今も続いている。
《丸田鉄平/HANJO HANJO編集部》

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