発注・施工の平準化、受発注者に多様な意見 画像 発注・施工の平準化、受発注者に多様な意見

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 公共工事の発注・施工時期の平準化に向け、受発注者の間でさまざまな意見が出ている。発注者は、債務負担行為や予算の繰り越し制度の活用、設計・施工の前倒しなどにより平準化を図っていく方針だが、工期末日が年度末に集中する弊害の解消には、対策メニューの充実に加え、適用対象の大幅な増加が必要で、「現場が効果を実感できるまでには時間がかるのでは」との見方もある。受注者側は、施工中の柔軟な工期変更などの対応もあらためて求めている。
 公共発注機関は、国の標準歩掛かりを基に算出した必要作業日数に、雨天を考慮した休工日や土・日曜の休日などを積み上げて工期を設定。その上で、発注・施工時期の平準化にも取り組んでいくとしている。
 発注者が設定する工事の発注・施工時期の現状を把握するため、日刊建設工業新聞社は、日本建設情報総合センター(JACIC)が運営するウェブサイト「入札情報サービス(PPI)」のデータを基に、関東地方整備局が4月1日~11月30日の8カ月間に入札を公告した一般土木工事計288件(入札取り消しなどで施工者が決まらなかった案件含む)を対象に工期末日の分布状況を調べた。
 その結果、入札公告件数は、4月19件、5月32件、6月61件、7月76件、8月38件、9月22件、10月21件、11月19件と、7月のピークに向かって増え、ピーク以降は半減。一方、工期末が16年となっている241件の工事を工期末日によって月別に分けると、▽1月=21件▽2月=37件▽3月=135件▽4月=2件▽5月=15件▽6月=12件▽7月=2件▽8月=3件▽9月=4件▽10月=6件▽11月=3件▽12月=1件-と3月に極端に偏る傾向が見られた。
 工期末日の年月日別の分布をみると、16年3月31日が最も多く54件、次いで同3月25日が44件、同2月29日が30件、同1月29日が18件。年度末に集中している工期末日の分散には、債務負担行為などを活用した年度をまたぐ工期設定が有効とされているが、日刊建設工業新聞の調査では、16年度第1四半期(16年4~6月)に工期末日が設定されていた工事は29件と、16年3月31日を工期末日とする案件の半分程度にとどまった。
 国土交通省が地方自治体の担当者を集めて3日に開いた関東甲信ブロック監理課長等会議(非公開)の終了後、同省の担当者は、発注・施工時期のさらなる平準化に向けた考え方について、「工事発注の時期をピークから前倒しするだけでなく、後ろにずらすことも考えられる」と指摘した。公共発注機関全体で取り組みを促進するため、平準化対策の事例集を15年度末までに作成する方針も国交省は決定した。
 ただ、事例集ができても、事務手続きに多くの手間を要することは避けられない。こうした実態が、「平準化の広がりがスピード感に欠けている」と受注者側に受け取られる要因になっている可能性もある。
 建設産業専門団体関東地区連合会のある幹部は、対策として「当初の工期や工費をできる限り順守することはもちろんだが、事業の完成目標の範囲内であれば、施工中でもより円滑に契約変更が認められる仕組みがあっていいのではないか」と提案する。既に現場を抱えている建設会社からすれば、発注段階の平準化の広がりをただ待っているわけにはいかないため、着工後の契約変更によって工期の適正化を図ることの重要性をあらためて訴えている。

発注・施工の平準化ー受発注者に多様な意見/対策メニュー充実や適用対象拡大が不可欠

《日刊建設工業新聞》

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