国土強靱化、10道県が地域計画策定…基本法施行から2年 画像 国土強靱化、10道県が地域計画策定…基本法施行から2年

インバウンド・地域活性

 東日本大震災を教訓に制定された国土強靱(きょうじん)化基本法が、11日で施行から2年を迎える。同法に基づき、国土強靱化地域計画をこれまでに10道県が策定。34都府県が策定中だ。太平洋に面した高知県や静岡県などの計画では、大津波の襲来が想定される南海トラフ巨大地震への備えを強化。災害時の応急復旧に着実に取り組めるよう、地元建設業の業務継続支援を打ち出しているのも特色だ。
 同法では、すべての地方自治体に地域計画を策定する努力義務を課している。地域計画では、国の国土強靱化基本計画とその行動計画に準じ、その地域特有の災害リスクに応じて推進する防災・減災対策の優先順位や、その目標値となる重要業績評価指標(KPI)を設定してもらう。優先する取り組みを地域の官民で共有し、着実・効率的に進められるようにするのが狙いだ。
 政府の最新の調査結果(11月25日時点)によると、▽北海道▽静岡▽愛知▽岐阜▽三重▽和歌山▽徳島▽高知▽大分▽佐賀-の10道県が地域計画を策定済み。うち北海道と岐阜、佐賀の3道県を除く太平洋側の7県は、今後30年以内に70%の確率で発生が予測される南海トラフ巨大地震への対策を最優先に掲げる。いずれも海岸堤防の整備を中心に、被害の拡大が懸念される津波への対策を推進する。
 全国でも珍しい津波対策を展開する自治体もある。南海トラフ巨大地震で最高33メートルの大津波の襲来が予測される静岡県は、地域特有の地形や海岸沿いに人口・資産が集積している状況を踏まえ、静岡市など21市町の海岸堤防の内陸側で既存の防災林や砂丘などのかさ上げや補強による「森の防潮堤」を構築。できる限り自然環境と調和した対策を推進し、平時の暮らしへの影響を抑える。
 7県の計画で津波対策の強化と並んで特徴的なのが、災害時応援協定を結んでいる地元建設会社の業務継続に対する支援策を打ち出していることだ。特に道路啓開や仮設住宅の建設といった応急復旧の担い手と資機材を着実に確保できるようにしておく狙いがある。
 高知、静岡、徳島、大分の各県は、地元建設会社の業務継続計画(BCP)の策定支援に力を入れる。徳島県は、県発注工事の入札で、BCPの認定を受けた企業を加点評価しており、認定企業数を現在の99社(12年度)から18年度には120社へと増やす目標を設定した。
 応急復旧体制の強化に向けた地元建設会社との連携では、高知や静岡、三重の各県が平時から道路啓開などの訓練を実施。愛知県は建設業を含む応急復旧のすべての担い手が地域に密着し定住できるような施策を検討・展開する。和歌山県は地域業者の経営・雇用環境を守るため、県発注工事で県内業者が受注する割合(件数ベース)を98%のまま継続するとの目標を設定。6月に策定した地方創生総合戦略でも同じ目標を打ち出した。
 政府は、地域計画を策定して防災・減災対策に取り組む自治体に対し、補助金や交付金を優先的に配分することを決めている。まだ策定に着手していない宮城、福島、沖縄の3県を含め、15年度中にすべての都道府県で計画が策定されることを目指している。

国土強靱化基本法ー施行2年/10道県が地域計画策定/南海トラフ地震対策強化

《日刊建設工業新聞》

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