次の失敗は「食料」 50キロのトレイルラン、記者が体験(5) 画像 次の失敗は「食料」 50キロのトレイルラン、記者が体験(5)

人材

 スポンサー企業の社員として参加した「Fun Trails 100K&50K」。埼玉県秩父市、飯能市などを会場に、未舗装の山道を走るレースだ。50キロの部に出場した筆者は40キロ地点を通過。コース中、最も標高が高い「丸山」に向けて登り始めた。

 マラソンやトライアスロンに挑んできたフォークシンガーの高石ともやさんはフルマラソンの経験について「20キロを過ぎると歩きたくなる。30キロを過ぎると止まりたくなる」と記した。15年ほど前に初めてフルマラソンを体験し、その言葉通りだったことを実感したものだ。

 山道中心のトレイルランにこの言葉は当てはまらないかもしれない。40キロを過ぎて疲れたことは確かだが、立ち止まりたいとは思わない。ランニングの大会でありながら、既にかなりの距離を歩いたからだろう。景色も次々と変わっていく。飽きることがない。

 もう少しで標高1000メートル近くから700メートルほど一気に下りる長い下り坂が始まる。ここさえ何とかこなせれば、残りは舗装路。慣れたランニングシューズで残った力を振り絞るだけだ。

 そんな中、猛烈な空腹に襲われた。50キロの部には3カ所のエイドステーションがある。飲み物、食べものの提供を受けることができる。それまで、おにぎりやおかゆを食べさせてもらったが、それだけでは全然足りなかったらしい。

 この大会では、食べものを携えて参加することが決まりだ。登りで歩いている間に食べながら補給するつもりだったが、靴に続いてまたも選択を誤っていた。

 できるだけ軽くしようと持ってきた乾パンと南部せんべい。それに柿ピーナツ。好物であり、カロリーは高い。水分を十分にとっていたはずだが、どれも一口食べただけで、さらに水を飲みたくなってしまう。こんなペースでは、エイドステーションに着くはるか前に飲み物がなくなってしまうではないか。

 手持ちの食料にはほとんど手をつけないまま迎えた40キロ地点。無理やり乾パンを口に押し込み空腹をいやす。

 1週間前の試走では、自分で作ったおにぎりを持ってきた。具はほとんどない。長い登り坂に入るたびに一つずつ食べた。飲み物はいらなかった。レース当日、おにぎりを買う機会はあったのに。

 長時間の運動では、単なる空腹では済まず、場合によっては、一歩も歩けなくなってしまう「ハンガーノック」という状態を引き起こすことがある。そうなれば、目標にした10時間での走破はまず無理だろう。制限時間いっぱいの14時間がかかるかもしれない。さらなる不安を抱えたまま恐怖の下りが始まった。

※編集部からのお詫び※
本記事は9日から10日午後にかけて(4)の記事として公開されていましたが、正しくは(5)の記事でした。読者の皆様には謹んでお詫び申し上げます。あわせて(5)とタイトル部分を訂正させていただきます。2015年12月10日)
日本教育新聞

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