異業種の連携活発、独自の強みで相乗効果、新領域へ業容拡大 画像 異業種の連携活発、独自の強みで相乗効果、新領域へ業容拡大

マネジメント

 建設業とその周辺業界で新たな再編の動きが活発化している。ハウスメーカーとゼネコン、建設コンサルタントと建築設計事務所といった従来にない組み合わせが大きな特色だ。事業領域の異なる互いの強みを生かして相乗効果を創出する成長戦略としての再編ともいえる。将来の国内建設市場の縮小を見越し、領域の垣根を越えた企業連携によって業容を拡大したり、海外に活路を求めたりする動きが今後も活発になる可能性がある。
 積水ハウスは11月19日、鴻池組と業務提携すると同時に、鴻池組の持ち株会社である鳳ホールディングス(大阪市中央区、蔦田守弘社長)と資本提携した。積水ハウスが持つ「住宅」に関する経営資源と、鴻池組の「建築・土木」に関する経営資源を融合。互いの提案力・営業力の強化を図るとともに、資材の共同購入や施工力の相互融通などにより建設事業全般でのコスト削減を目指す。
 両社の協力関係の明確化と業務提携の確実な推進を実現するため、積水ハウスは鳳HDに資本参加。積水ハウスが鳳HDの株式を議決権ベースで33・3%保有して筆頭株主となり、持分法適用関連会社にする。鴻池組と鳳HDにそれぞれ役員2人も派遣する。
 ハウスメーカーがゼネコンと組むケースは珍しいが、この動きで先行しているのが大和ハウス工業だ。同社は大和小田急建設を08年4月に傘下に入れ、13年1月にはフジタを完全子会社にした。さらに今年10月1日には、2020年東京五輪に向けた建設投資の増加と、五輪後の国内建設市場の縮小など長期的な環境変化を見据え、このゼネコン2社を合併させた。
 存続会社となったフジタは、建築分野で高い技術力を持ち、海外事業でも豊富な実績がある。今回の合併により、小田急線の沿線開発や鉄道関連分野の事業も手中に収めることになる。
 ゼネコンをめぐってはかつて、バブル崩壊後に経営が悪化した企業を主力取引銀行の主導で統合・再編する動きがあったが、最近の再編は様相が大きく異なる。
 建設コンサル会社の動きも活発だ。国内外で新領域の開拓に力を注いでおり、その一環として、建築設計会社をグループに取り込み、土木、建築の両輪で都市全体を事業領域に据える取り組みが出てきた。
 昨年12月に日本工営が黒川紀章建築都市設計事務所の事業を継承したのに続き、今年8月には建設技術研究所が、民事再生手続き中だった日総建をスポンサーとして支援することを決めた。
 建設技術研究所は従来、社内に都市計画部門(都市部門)は保有していたが、建築設計の部門はなかった。まちづくり関連業務の受注活動を強化していくには、建築設計の専門部門が不可欠と判断した。
 同社は2025年までのグループ中長期ビジョンで「マルチインフラ企業への展開」を経営目標に設定。建築設計など各種分野でM&A(企業合併・買収)を推進するとしており、日総建との連携はその具体策となる。
 国内建設市場の縮小に備え、海外事業を強化する取り組みも活発だ。日建設計は9月、オーストラリアの大手建築設計事務所・バカン(Buchan、デビット・マーチン最高経営責任者〈CEO〉)と業務提携した。バカンの株式の38・25%を取得して資本参加した。商業施設を得意とし、オーストラリアのほか欧米にも強いバカンと組むことで、得意とする領域や地域での補完効果が期待できるという。

異業種の連携活発/国内市場縮小見越し、独自の強みで相乗効果/新領域へ業容拡大

《日刊建設工業新聞》

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