TPP関税撤廃受け日本酒輸出促進、米国で日本酒の名は日本産のみ 画像 TPP関税撤廃受け日本酒輸出促進、米国で日本酒の名は日本産のみ

インバウンド・地域活性

 政府は、日本酒の輸出を促進する。環太平洋連携協定(TPP)交渉の結果、相手国がかける関税が撤廃され、最大の輸出先である米国では日本酒の名称を保護することも決まった。日本酒の輸出は年々増加しているものの世界的に見ればまだ市場規模は小さく、普及が大きな課題になっている。国内外のイベントを通じて特性や魅力を発信し、地理的表示(GI)保護制度も活用する。
・14年の実績115億円 最高記録も市場小さく 普及、定着課題に

 TPP交渉の結果、米国、カナダ、ベトナムが日本酒の関税を撤廃することになった。また米国政府が日本産以外の「日本酒(ジャパニーズ・サケ)」の販売を禁止する方向だ。今後、米国産や中国産が「日本酒」として米国市場に出回らないように防ぎ、日本産を売りやすい環境を整える狙いがある。

 国税庁は国産米を原料にし、かつ日本国内で製造された清酒「日本酒」をGIとして近く指定する予定だ。地理的表示に指定すれば、TPP以外でも経済連携協定(EPA)交渉を通じて外国に対し、日本酒に該当しないのに日本酒と表示している商品の取り締まりを求められるようになる。

 日本酒の輸出額は昨年、115億円で過去最高となり、今年もそれを上回るペースで伸びている。主な輸出先は米国、香港、韓国、中国だ。だが、フランスのワインの輸出額約1兆円と比べればわずかで、海外で日本酒の存在感を高めることが課題となっている。酒造会社も加盟する「全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会」は今年度、発信力の高い海外の有名レストランのシェフなどを酒蔵に招き、日本酒の正確な知識や文化などを学ぶ機会を提供。現地の料理と合わせた日本酒の提供も進める。農水省の輸出戦略では、新興市場である欧州連合(EU)や台湾、中国、安定市場の米国や香港を重点国・地域と位置付けた。

 政府のTPP関連政策大綱では「日本産酒類の海外展開を推進する」とし、日本酒以外の酒もGI保護制度を活用して、海外で名称を保護する。TPP交渉の結果、米国では、GIで指定済みの「白山清酒」「山梨ワイン」「壱岐焼酎」「球磨焼酎」「薩摩焼酎」「琉球泡盛」について日本産以外は販売できなくなる。米国は容量の規制も緩和し、日本から輸出しやすくなる。現在は焼酎・ウイスキーなど蒸留酒の容量は750ミリリットルに限定されているが、規制改正に向けた手続きを進めることで合意。改正されれば、4合瓶(720ミリリットル)のままで輸出できるようになる。

日本酒輸出さらに TPPで関税撤廃、米国は名称保護 政府、地理的表示活用も

《日本農業新聞「e農net」》

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