インバウンド牽引するインフラ・鉄道を地方創生のカギに 画像 インバウンド牽引するインフラ・鉄道を地方創生のカギに

インバウンド・地域活性

 全国に広がる鉄道ネットワークが地域の街づくりに与える影響は大きい。国が力を入れる地方創生でも、公共交通インフラ鉄道を積極的に活用して地域の魅力を高めようとする動きが活発化している。11月6日にJR九州が東京都内で開いたシンポジウム「鉄道が地域の元気をつくる会議」では、国や鉄道事業者、鉄道と連携した町おこしに取り組む自治体などの関係者が意見を交わし、観光振興などを柱に鉄道と地域の発展のあり方を議論した。

 ◇インバウンド対応であの手この手◇

 日本政府観光局(JNTO)の調査によると、14年にアジア・太平洋地域を訪れた海外旅行者は2億6000万人に上り、世界の海外旅行者全体の23%を占めた。最多の欧州地域の52%に次ぐ旅行者数で、30年にはほぼ倍増の5億人に達し、世界全体の30%近くに増大すると予想している。

 アジア・太平洋地域を訪れる海外旅行者の増加は、アジア諸国の経済発展が大きく影響している。新興国を中心に所得増によって富裕層が増え、海外旅行の需要も拡大傾向にあるからだ。特に同地域では、海外旅行者の8割が、同じ地域内の中・近距離圏で旅行しているという。

 15年1~9月のインバウンド(訪日外国人客)は1448万人と、3カ月を残しすでに前年実績(1341万人)を超えた。12月までの1年間では1900万人に達する見通し。10年前の05年と比較すると、3倍以上に膨らむことになる。

 こうした現状を踏まえ、JR東日本の清野智会長は「アジア各国を訪れる観光客をいかに日本に呼び込むかが重要だ」と指摘する。「観光立国」を実現するには、他の国・地域と差別化を図ることでインバウンドを取り込む施策を積極展開することが必要だと訴える。

 インバウンドに関わるさまざまな観光関連産業がある中で、JNTOの吉田晶子理事は「快適な空間で人を運び、車窓から各地の風景を見られる鉄道産業には特に期待している」と話す。新幹線や在来線などのネットワークの拡充をはじめ、観光列車の運行、地域連携による観光資源開発など、鉄道事業者らの取り組みが日本の観光産業をけん引するとの見方だ。

《日刊建設工業新聞》

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