ゼネコン大手5社、下請け業者の社保加入促進に本腰 画像 ゼネコン大手5社、下請け業者の社保加入促進に本腰

人材

 地域や業種の実情に即した形で加入を促しているのは大林組。見積もりや契約、変更などさまざまな交渉の場で「対話重視」を基本に据える。電子契約システムに内訳明示の見積書を提出する機能を追加したり、日報システムと作業員名簿をひも付けしたりするなど、加入促進に関するソフト面の体制も整備済みだ。

 法定福利費は、契約時は作業員100%加入を前提に算出するが、「未加入でも100%もらえる」となると加入促進への動機付けが薄れると判断。加入の実態に応じて支払う方針だ。加入率が低いとされる鉄筋工やとび工など躯体関連業種の加入を促すため、7月から東京地区の民間建築を対象に新ルールの適用を始めている。

 10月1日契約分から新しい取り組みを始めたのは清水建設。法定福利費を工事費に含めずに外出し明示した見積書を条件化し、材工の切り分けや法定福利費の別枠計上が難しい業種・企業に対しては、同社が蓄積してきたデータを基に法定福利費の算出方法などを指導する。内訳明示で契約を結び、実際の加入率にかかわらず工事出来高に応じて法定福利費を全額、取引業者に支払う。全業種が対象で、土木・建築や公共・民間工事を問わずに実施する。

 工事開始後は、技能労働者の実際の加入率にかかわらず、工事の出来高に応じて法定福利費を全額、取引業者に支払う。未加入者分の返還も求めない。対象は警備や墨出し、レッカーなどを含むすべての業種。ただし材料や労務を伴わないリース契約は除く。

 竹中工務店は、11月1日以降の新規見積もり依頼から新ルールを適用した。見積書と契約書で内訳明示の方法に違いがあるものの、すべての協力会社が適正加入できるよう必要な法定福利費を100%契約価格に反映させ、出来高に連動して支払う。このため独自の施工体制台帳システムに既存協力会社(1次・2次以下)の加入状況を確認・検索できる仕組みを整備中だ。

 同社は生産性向上を図るとともに、適切な見積もり査定や公平・公正な競争などにより適正価格を追求する方針も打ち出している。今後、最適な設計・生産技術の適用や、協力会社と一体となった省人化努力により生産効率の向上などにも取り組んでいく。
日刊建設工業新聞

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