土木学会小委がODA活用で推奨事業方式提案、上流段階から関与を 画像 土木学会小委がODA活用で推奨事業方式提案、上流段階から関与を

海外進出

 土木学会の建設マネジメント委員会に設置された「ODA活用小委員会」(委員長・小澤一雅東大大学院教授)は、「長期的に質の高いインフラ投資の実現に向けて」と題した中間報告をまとめた。入札の不調・不落の回避と低価格競争の防止、技術移転と人材育成への貢献という観点から、推奨する事業方式として、包括的建設サービス(WCS)方式と包括的地域協定(WRA)方式の二つを提案。両方式を適用するための調達ルールの策定やモデルプロジェクトでの検証を求めた。
 報告では、日本の政府開発援助(ODA)案件にもかかわらず、土木工事の単品入札で不調・不落や、日本企業が競合国に価格で競り負けるケースが多い一方、競合国が安値受注した案件では工事が施工困難に陥ったり、完成後の品質に問題が発生したりしている事例が見られ、途上国政府にも好ましくないと指摘した。
 その上で、日本企業は単品工事の請負者を目指すのではなく、元請として品質・安全管理を手掛け、施工は地域に精通した企業を下請として組織。日本水準の品質・安全管理と地元企業の参入とノウハウの移転を実現するコンストラクション・マネジャー(CMr)の立場を指向するべきだと提言した。
 さらに、価格と技術評価で工事受注企業を決めるプロジェクトに上流段階から参画する仕組みや、一定の資格を満たす企業が継続的な受注のチャンスを高めることができ、低質な業者の排除が可能なスキームの普及が必要だと強調。こうした視点を盛り込んだ契約形態としてWCS方式、WRA方式を提案した。
 WCS方式は、事業の上流段階からコントラクターと発注者、コンサルタントが協働して設計を行う。発注者の発注能力を補うことができる。WRA方式は、複数のプロジェクトを地域単位でパッケージ化して複数の業者と複数年契約を締結することで、個々の発注の迅速化や優良な企業の選定、十分な事前準備期間の確保を行うことができるという。
 両方式の採用によって日本の技術力、マネジメント力、コーディネーション力を有効活用できると指摘。今後、海外の類似事業の調達ルールや、日本国内の技術提案・交渉方式、東日本大震災の復興事業で適用された制度を参考に、途上国でも活用しやすいルールを整備し、モデルプロジェクトで事例を積み重ねる必要があるとしている。

土木学会小委/ODA活用で中間報告/推奨事業方式提案、上流段階から関与を

《日刊建設工業新聞》

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