【まちてん】郵便局が取り組む地方創生若手プロジェクト 画像 【まちてん】郵便局が取り組む地方創生若手プロジェクト

インバウンド・地域活性

 日本郵便(JP)にとって、地方創生は従来から取り組んできた課題であり、地域の発展に貢献していく延長線上にあるものだ。地方創生まちづくりEXPO「まちてん」(28・29日、東京・渋谷)の初日に行われたカンファレンス「コミュニティプレイス編」では、地方創成の熱い想いを持つJPの若手プロジェクトチームから、中核メンバーである中川貴博氏が登壇し、具体的な取り組みについて紹介した。

 同氏は、公社から民営に代わるタイミングで入社し、人事部や経営企画部などを経て、2013年から主に郵便局の再編を担当。2014年には、北海道・美瑛町を舞台とした、異業種研修の「地域課題解決プロジェクト」に参加し、地方の課題と向き合ってきたという。現在はそれらの経験を活かし、郵便局のリソースやインフラを生かした地方創生の実現に向けて奮闘しているところだ。

 そんな中川氏は「JPのイメージは真面目すぎておもしろみがない、大きすぎてフットワークが重いと思われているかもしれないが、我々は大きく変わろうとしている。昔のお役所ではなく、大変おもしろい会社になった。地域を盛り上げたいと考える人がとても多い」と述べ、3つのJPの強みを挙げた。

 まず1つ目の強み、そのキーワードは「約24,000」だ。これは全国津々浦々に配備されている郵便局の拠点数だ。そこに40万人以上の社員が地域に密着しながら働いている。

「24,000という拠点は、全国の小学校よりも数が多い数字だ。これは子どもたちが通える範囲、どんな山奥でも、どんな離島でも、郵便局があるということだ」(中川氏)

 2つ目の強み、キーワードは「3,000万」だ。これは1日に郵便や荷物を配達する数を示すもの。「日本の世帯は約5,000万。したがって2日間で、すべての世帯に配達できる計算になる。そんな日本中に広がる物流ネットワークを持っている点がJPの強みだ。もちろん配達だけでなく、商品の保管や加工なども可能だ。郵便局に商品を預ければ、すべてを一括して手元に届けられる。最近では海外で販路拡大のお手伝いもしている」(中川氏)。 

 3つ目の強み、キーワードは「地元のヒーローだ。これは地域に密着したJP社員のこと。では、なぜJP社員が地元のヒーローなのか? 郵便局が創設された当時までさかのぼるという。明治時代の地方の名士たちがほぼ無償で地域の郵便局を立ち上げてくれた。「そのため、いま郵便局に勤める社員も地元生まれの地元育ちで、地域に密着しながら働く人がほとんど。誰もがどうしたら地域を盛り上げられるかという点を考えながら仕事をしている。そんな人的ネットワークを持っている点もJPの強みだ。」(中川氏)という。

 JPの「地域のために」という点はいまも変わらない。中川氏は、具体的なJPの取り組みについても示した。たとえば「郵便局×生産者」のコラボレーションがある。地方の郵便局では、地元の生産者にスペースを提供し、特産品を売っている。「場所を貸すだけだが、お客様から大変好評で、開始後1時間ぐらいで商品が売り切れてしまう。生産者から見れば新たな販路の拡大に、お客様から見れば新たな楽しみに、郵便局から見れば来客の促進につながる。いわばWin・Win・Winの3方良しの施策になっている」(中川氏)。

 もう1つの事例は「郵便局×自治体」のコラボレーションだ。これは郵便局の物流ネットワークによって実現できたもの。ふるさと納税事業のサポートとして行っており、返礼品の選定や発送、またカタログの作成、書類発送なども行っている。「地方自治体の負担を軽減するだけでなく、その地域の魅力を他の地域に伝える事業だと考えている」(中川氏)。

 このほかにも、JPでは新たな取り組みもスタートさせている。それがJPの見守りサービスだ。地域に住んでいる高齢者の生活状況をJP職員が確認し、身内に伝えるというものだ。「郵便局×テクノロジー」としては、高齢者の1部に専用タブレット端末を配布した実証実験も進めているという。

 最後に中川氏は「JPは自らのリソースを最大限に活用すべく変わり始めている。今回のイベントのように、小回りがきくチームも自分たちで編成できるようになった。他社との協業も含め、多くのことにチャレンジしたい。今度は“郵便局×あなた”で、あなたの夢を聞かせてほしい。そこから新しい地方創生の道が探せるかもしれない」と述べた。

【まちてん】郵便局による地方創生と新たな可能性とは

《井上猛雄》

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