【働く】墨東建材工業・田坂勝正会長、田坂芳郎社長…チームワーク高め成長継続 画像 【働く】墨東建材工業・田坂勝正会長、田坂芳郎社長…チームワーク高め成長継続

マネジメント

 ◇要望に応えた最良の建築金物を製造、施工
 時代を彩る建築プロジェクトに金属工事業者として名を連ねる墨東建材工業(東京都葛飾区)。アルミ製の内外装パネルやルーバー、手すりなど金属板金装飾金物の製造、施工で著名な建築家や組織設計事務所、大手ゼネコンからの高い信頼を集める。
 同社の創業は、田坂勝正会長が長崎・五島列島の中通島から上京して4年後の1966年。それまで日軽アルミ(現日軽金)の関連会社で工務の修行を積み独立した。東京都江戸川区の間借り部屋を住まいに、軽四輪トラックに材料とバラ図を載せて加工、組み立て、塗装などの工場を回り、最終製品に仕上げて顧客に納入していた。しばらくして妹と弟を郷里から呼び寄せ、3人で仕事の幅を広げていった。田坂会長は「この2人が当社の草創期を支えてくれた」と感謝する。
 68年足立区に、当時の自宅と工場・事務所を兼ねて会社を設立。77年近所の80坪の土地に工場・事務所を分離し、事業が軌道に乗ってきた85年には埼玉県越谷市に600坪の工場を開設した。90年、事務所も工場敷地内に移転。現在の営業、設計、工務、製造、工事の一貫体制の基礎が確立した。
 この間、日本の建設市場は右肩上がりで、同社は空港、庁舎、文化施設、商業施設、ホテル、オフィスビルなどの大規模建築工事に参画。
 「どのようなデザインでも、どんなに施工が難しくても仕事を断らず、創意工夫でお客さまに満足していただけるよう最善を尽くすのが、当社の基本」。こうしたデザインへの対応力や製品の品質、取り付け精度が評価され、取引先も増えていった。しかし、バブル崩壊以降、少ない工事を巡って元請の競争が激化。コストに対する要求も厳しくなってきた。
 「国内で製造していては、コストダウンの要求に応えられない状況に変わってきた。そこで、当初は海外の工場に製造を委託していたが、高品質な製品を自社製造で供給しようと2008年、ホーチミンにベトナム工場を新設した」。田坂会長のこの決断が、同社の事業の強みを増すこととなる。コスト対応力が高まり、受注機会の拡大、経営の安定化に寄与している。同時に現地スタッフの育成にも注力。外国人技能実習制度を活用して、越谷工場でしっかり技能を習得させた人材がベトナム工場で働いているため、国内と全く遜色のない品質が確保されている。
 東日本大震災後しばらくは建設工事が止まった影響で厳しい時期が続いたが、昨今、政府による経済対策や東京オリンピック・パラリンピックに向けたインフラ、施設整備などで急激に需要が回復。昨年1月に就任した田坂芳郎社長は、繁忙を極める中でも「納期管理、品質管理・安全体制を日々徹底することを心掛けている」と引き締める。
 昨年から社員のモチベーション向上のために、提案制度や表彰制度、営業工事、設計、工務、工場機械、工場組み立ての各チームごとの業務改善プロジェクトを立ち上げた。また安全スローガン、作業3原則、安全10箇条をカードにして携帯し、意識を高める取り組みも開始した。
 3年後の18年には創立50年を迎える。そのころは、五輪関連施設や都心の大型再開発案件が佳境を迎え、大きな需要が見込まれている。「越谷とベトナムの両工場の稼働率を向上させるとともに協力会社、取り付け職人とのチームワークを一層強固にし、社訓の“明るく、楽しく、そして豊かに”にふさわしい企業として成長させたい」と田坂社長は抱負を語る。
 (たさか・かつまさ、たさか・よしろう)

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《日刊建設工業新聞》

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