東京都のトンネルの一斉大規模補修、予防保全型計画を策定 画像 東京都のトンネルの一斉大規模補修、予防保全型計画を策定

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 東京都建設局は、今後一斉に更新・大規模補修時期を迎えるトンネルの維持管理コストを抑えるため、予防保全型のストックマネジメントに取り組む。管理する全121カ所のトンネルを対象に、効率的な維持管理を行うための対策を示した「トンネル予防保全計画」を策定した。計画に盛り込んだ予防保全を行った場合のコスト縮減効果を1500億円程度と試算。対策実行では、24年度までの10年間に仙台坂トンネル(品川区)など、劣化や損傷が進んでいる26カ所の工事を優先実施する。
 同局が管理するトンネルは14年4月現在、山岳トンネルが65カ所、市街地の開削トンネルが56カ所。このうち供用開始から50年以上が経過したトンネルは約18%を占め、30年後に割合は約65%に上昇する。これらのトンネルを寿命とされる75年経過後に更新した場合、合計1953億円の事業費が必要と見込む。
 同局は維持管理・更新費の縮減を目的に、10年度から予防保全を導入するための検討を開始した。12~13年度に全121トンネルで、レーダー探査や小型カメラによる覆工コンクリート背面空洞調査、コンクリート材料試験などの詳細健全度調査を実施し、損傷や劣化度合いを調べた。同局によると、公共機関が自ら管理する全トンネルを対象に、詳細な調査を行ったのは全国初だったという。
 策定した計画では、「すべてのトンネルを今後100年間更新することなく健全な状態に保つ」ことを目標に設定。山岳トンネルと開削トンネルに分けて具体的な対策を明示した。山岳トンネルは地山と覆工コンクリートの間の空洞に注入材を充てんして安定性を確保するほか、ひび割れや漏水などの損傷を適切に補修する。開削トンネルでは鉄筋の腐食につながる損傷を補修し、コンクリート壁面の鉄筋増量といった対策も講じる。
 対策の効率的な実施に向け、詳細健全度調査結果を基に補修・補強工事の優先順位も設定した。損傷や劣化が進む山岳トンネル20カ所と開削トンネル6カ所は、本年度から10年以内に対策工事に着手する。10年間の事業費は90億円程度と見積もっている。
 残る95カ所は、5年に一度の定期点検(次回は17、18年度の予定)などを踏まえ対応を検討。対策を急ぐトンネルが出た場合、点検内容を反映し計画を見直す。
 同局は、計画に基づく対策を行った場合の今後75年間のトンネル維持更新費を423億円と試算。トンネルの寿命とされる75年後に更新する事後保全の費用(1953億円)と比べ、1530億円のコスト縮減効果を見込む。

東京都建設局/トンネル予防保全計画策定/10年間で26カ所優先対策工着手

《日刊建設工業新聞》

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