女性が3割占める獣医師、出産・育児など離職防止支援を検討 画像 女性が3割占める獣医師、出産・育児など離職防止支援を検討

人材

 出産、育児などによる離職が課題となっている女性獣医師が活躍できる環境づくりを目指そうという試みが始まった。日本獣医師会は25日、日本大学生物資源科学部(神奈川県藤沢市)で獣医師を目指す学生向けセミナーを開き、女性獣医師が自らの勤務経験を披露、仕事を続けるためのアドバイスをした。同会は専門家による委員会を立ち上げ、仕事を続けられて復職しやすい支援策を検討する。

・女性への支援策検討

 女性獣医師は近年、増加傾向にあり、農水省の調べによると全体の約30%を占める。20、30代では45%程度が女性。ただ、20~50代の女性獣医師の約7%は職に就いていない状況だ。同省は「全体として必要な人数は確保できている」というが、畜産を支える牛や豚など産業動物分野は地域によって不足し、解消に向けて女性獣医師への支援が急務となっている。

 学生向けセミナーは同省事業の一環で、2015年度から新たに始めた。同日は、茨城県畜産センター養豚研究所の首席研究員の前田育子さん(55)と、東京都八王子市で動物病院を開業する西木千絵さん(55)が講師を務めた。

 前田さんは家畜保健衛生所での業務などを紹介し、力が必要とされる牛や豚を相手にした作業でも専用器具があり「作業の工夫で肉体的な負担は軽減できる」と説明。出産や育児支援へ検討が進んでいることも伝え「女性獣医師が活躍を続けられる職場は、全ての獣医師が活躍できる」と強調した。西木さんも男性、女性ともに「働き方の見直しが必要だ」と指摘した。

 教室には学生50人ほどが集まり、熱心に受講した。就職活動を来年に控えた同学部獣医学科5年生の岩尾ひかるさん(22)は「女性獣医師から話を聞く機会はあまりなく、まして出産、育児のことを聞けたのは貴重で、進路を選ぶ参考にしたい」と話した。5年生の山本美貴さん(23)の第1志望は、育休などの制度が充実している公務員。「産業動物の診療実習は楽しかったが、地方の人手が薄い職場では(休暇が取れるか)心配もある」と本音をぽつり。3年生の西岡絵夢さん(21)も「将来、産休や育休で現場を離れた時に、技術や制度の変化についていけるか不安だったが、視野が広がった」と話した。

 セミナーは今年度、同大学を含めて計7大学で開く。

獣医師やめぬ環境探る 出産・育児 不安解消へ 学生セミナー 先輩が体験談

《日本農業新聞「e農net」》

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