鹿島、山岳トンネルの湧水計測システム開発 画像 鹿島、山岳トンネルの湧水計測システム開発

マネジメント

 鹿島は24日、山岳トンネル建設工事で、切羽前方にある湧水区間のデータを高精度に計測できる新しいシステムを開発したと発表した。断層破砕帯など地質状況を把握するために行われるボーリング削孔と同時に、削孔先端部の湧水圧と削孔開始場所(口元)の湧水量をそれぞれ水圧計、流量計で計測する。西日本高速道路会社が発注した新名神高速道路箕面トンネル西工事で700メートルの超長尺ボーリングに適用し、本掘削前の湧水対策工の検討に役立てることができたという。
 山岳トンネル工事では、切羽前方の地質や湧水区間の状況を事前に把握することが、地山の安定性確保や工事の安全上重要となる。長大な山岳トンネルの場合、切羽前方の調査手法として近年、500メートル以上の超長尺コントロールボーリング調査で地質状況を把握するケースが多い。
 ただ、湧水に関する調査や計測は、口元に設置したポリタンクに水が一定量たまるのを手動で計測するアナログな方法が取られている。このため、複数存在する湧水区間の正確な湧水データを把握することが難しい。
 湧水圧の正確な測定方法としては、ボーリング削孔後にロッドを一度引き抜き、測定用の管(パッカーシステム)を別途挿入する方法があるが、作業に手間がかかるほか、再挿入時に孔が崩れるリスクもある。
 開発した「スイリモ(水リサーチ・モニター)」は、先端部湧水圧の測定と口元湧水量の自動計測の二つの技術を組み合わせた。
 ボーリングマシン先端部に電源内蔵型水圧計ユニットを装備し、削孔中に先端部の湧水圧を計測する。従来手法と異なり、パッカーシステムを別途挿入する手間を減らし、複数の湧水区間がどこにどの程度存在しているかを精度よく把握できる。口元の湧水量は、口元に設置した電磁流量計で排水量を計測することで把握。連続的な自動計測を実現する。
 大阪府で施工中の箕面トンネル西工事では、河川直下で湧水が予想される区間で先進ボーリングを実施。スイリモで得られたデータが実際の地質や水理状況と合致し、システムの精度を実証できたという。
 今後、1000メートル級の超長尺ボーリングでの導入を予定。地上から地下水観測のボーリングが困難な場所で超長尺ボーリングが予定されている長大トンネルを対象に採用を検討していく。

鹿島/山岳トンネルの湧水計測システム開発/削孔に合わせ圧力・水量把握

《日刊建設工業新聞》

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