石井国交相、工事にICT(情報通信技術)を全面活用 画像 石井国交相、工事にICT(情報通信技術)を全面活用

マネジメント

 ◇「i-Construction」と命名
 石井啓一国土交通相は24日の閣議後の記者会見で、同省直轄工事を対象に、測量・設計から施工・検査、さらに維持管理・更新までの全プロセスで、小型無人機(ドローン)や自動制御建設機械といったICT(情報通信技術)の活用を全面展開する方針を表明した。ICTに対応した施工管理や検査の新基準を本年度中に作り、16年度に発注する工事から順次適用していく。コンクリート工の部材規格の標準化や施工時期の平準化も進め、技能労働者の生産性を5割向上させたい考えだ。
 石井国交相は会見で「土工、コンクリート工など生産性の向上が遅れた部分で抜本的な生産性向上を図ることで、全体として技能労働者の生産性について将来的に5割向上の可能性がある」と説明した。官民挙げて全面的に展開していくため、一連の取り組みを「i-Construction」と命名したことも明らかにした。
 主眼に置くのは造成などの土工とコンクリート工の二つ。国交省によると、山岳トンネル工事はこの50年で技能労働者の生産性が10倍に向上したが、土工とコンクリート工はほぼ横ばいという。一方で、労働者の4割はこの2工種で働いており、一連の取り組みで米国の8割程度にとどまっている建設産業の生産性を飛躍的に高めることを目指す。
 土工の場合、ドローンを使った測量で得た3次元データと設計図面を重ね、切り土や盛り土の施工量を自動算出。施工段階でも3次元データを使って建機を自動制御するイメージだ。検査にもドローンによる3次元測量を活用することで、出来形の書類が不要になり、検査項目が半減する見込みだ。
 コンクリート工では、例えば、鉄筋のプレハブ化や型枠の設置が不要な効率的な工法を展開。プレキャスト(PCa)工法でも規格を標準化した部材を拡大していく。
 国交省はi-Constructionの基本方針や推進策を検討するため、有識者会議の「建設現場の生産性向上検討委員会(仮称)」を設置。12月中旬に初会合を開き、本年度内に検討結果を取りまとめる。委員長には小宮山宏三菱総合研究所理事長が就く。検討委には日本建設業連合会(日建連)などもオブザーバーとして参画する。
 国交省は、建設業界の評価回復、企業経営の安定化、将来予想される労働力不足への対応に向けて、抜本的な生産性向上を図るタイミングと判断。i-Constructionの展開によって、労働者の生産性向上、企業の経営環境改善、賃金水準の向上、安全性の飛躍的な向上を目指す。
 展開の目標スケジュールは、「有識者会議の議論や業界団体との調整を経て決める」(技術調査課)としている。来年度の発注工事でどの程度導入するかや、積算方法なども今後詰める。国交省の直轄工事で導入が進めば、国の他機関や地方自治体などにも波及するとみられる。
 《i-Constructionで国交省が基準を改定する主な対象》
 △土木工事施工管理基準(案)
 △土木工事数量算出要領(案)
 △土木工事検査技術基準(案)。

石井啓一国交相/工事にICT全面展開/生産性5割向上目標

《日刊建設工業新聞》

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