政府、資金面でインフラ輸出支援強化

海外進出

 政府は、日本企業のインフラ輸出に対する支援を資金面で強化する。国際協力銀行(JBIC)を通じて行う投融資を拡大。高収益を見込める代わりに資金回収の不確実性も高い海外インフラ事業への投融資を増やすほか、途上国の案件でニーズが大きい現地通貨建て融資も増やす。日本貿易保険(NEXI)を通じ行う海外インフラ事業の投融資保険の運用も改善。円に限定している保険金の受け取り方法をドル建てでも可能にするほか、投資保険の契約期間を倍の最長30年間に延ばす。
 安倍晋三首相が21日にマレーシアで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)のビジネス投資サミットで表明した。2020年までに毎年100兆円規模と見込まれるアジアの膨大なインフラ整備ニーズを取り込むため、インフラ輸出を目指す日本企業向けの資金調達・為替負担軽減策を強化し、進出意欲を喚起することにした。
 JBICを通じ行う海外インフラ事業への投融資では、日本企業に対する支援の規模や手法を拡大。高い収益性と資金回収のリスクを兼ね備えた案件への融資を増やす。その際、融資の条件としている「返済の確実性」を免除。JBICはあらかじめ必要な財務基盤を確保してから単独でリスクに備える。
 併せて、特に途上国のインフラ事業で日本企業からのニーズが大きい現地通貨建て融資も拡大する。その財源としてJBICに現地金融機関からの長期借り入れを解禁する。政府は、これらの支援策の強化を新たに規定するJBIC法改正案を来年の通常国会に提出する方針だ。
 NEXIによる海外投融資保険の改善では、ドル建て保険を解禁したり投資保険期間を倍に延長したりするほか、融資保険では取引先となる相手国の地方政府や国営企業などといったサブ・ソブリンの信用リスクに対応する商品も創設する。
 今後、政府は資金面で日本企業のインフラ輸出支援策を強化する前提として、主に途上国の土木インフラ事業に低利融資する国際協力機構(JICA)の円借款を拡大する。案件の具体化までに3年程度かかる手続き期間を最短約1年半へと短縮するなどして、日本企業の受注を見込みやすい円借款案件の増加を目指す。
 今回のインフラ輸出支援策の強化に合わせ、政府はフィリピンに147億8400万円、ベトナムに1661億2400万円、ラオスに102億7100万円の円借款をそれぞれ供与し、各国のインフラ整備に協力していく方針も決めた。

政府/資金面でインフラ輸出支援強化/高リスク案件の投融資拡大、保険運用も改善

《日刊建設工業新聞》

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