橋梁床版取換、設置時間3割短縮の新工法開発へ…熊谷組ら 画像 橋梁床版取換、設置時間3割短縮の新工法開発へ…熊谷組ら

インバウンド・地域活性

 熊谷組は19日、オリエンタル白石、ガイアートT・K、ジオスターの3社と共同で、短時間に橋梁床版の取り換えが可能な新しい工法の開発を進めていると発表した。シールドトンネル工事でセグメントの連結に使うコッター式継ぎ手を改良し、工場製作したプレキャスト版の接合に用いる。従来のループ継ぎ手に比べ、床版の設置時間を約3割短縮できるという。高速道路会社などが取り組む鋼橋のリニューアル事業をターゲットに、16年度の実用化を目指す。
 高度経済成長期に建造された橋梁の老朽化が一斉に進み、8年後の23年には全国約70万橋のうち、4割以上が建設後50年以上に達する見込み。中でも床版は、建設当初の想定を上回る交通量の増加や過積載車両の通行により、疲労損傷が著しく、適切な修繕・更新が課題だ。
 4社が共同で開発中の「コッター床版工法」に用いるコッター式継ぎ手は、くさび状のH型金物(コッター)を、床版に埋設されているC型コッターに挿入し、固定用ボルトを必要なトルクで締め込むことで接合強度を確保する。
 シールド工事のほか、空港やコンテナヤードの舗装版、橋梁の端部で生じる段差を防止する延長床版などに用いられている。床版向けに、繰り返しの荷重に対する疲労強度を高めるため、部材を改良。球状黒鉛鋳鉄を素材に採用している。
 現在行われているプレキャストPC床版による橋梁の架け替え工事では、橋軸縦断方向(車の走行方向)に約2・5メートルピッチで床版同士を接合する。接合部の施工は現場で鉄筋と型枠を組み、間詰めコンクリートを打設する必要があり、作業に時間がかかるほか、天候にも左右される。
 コッター床版工法は、現場の鉄筋工・型枠工を不要にしたのが特徴。供用中の橋梁の架け替え工事で必要となる交通規制や迂回(うかい)路を最小限にできる。部分的な取り換えが可能でメンテナンス性も高い。災害時の早期復旧できるなどのメリットもある。
 熊谷組の技術研究所などで行った静的破壊試験、曲げ疲労試験の結果、ひび割れ抵抗性、耐力・耐疲労性能を確認した。今後、高速道路総合技術研究所が所有する輪荷重走行試験機による最終試験を実施。道路管理者からニーズの高い片側斜線ごとの分割施工(半断面施工)を実現する橋軸直角方向の継ぎ手の開発にも取り組む。
 東日本、中日本、西日本高速道路会社3社の床版の取り換え工事の対象は約230キロに上り、1兆6500億円規模の市場が見込まれている。

熊谷組ら4社/橋梁床版取換新工法開発へ/コッター式継ぎ手使用、設置時間3割短縮

《日刊建設工業新聞》

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