マイナンバーで副業が会社にバレるパターンは? 画像 マイナンバーで副業が会社にバレるパターンは?

制度・ビジネスチャンス

 10月5日、ついにスタートしたマイナンバー制度。同月中旬からは、全国各地でマイナンバー通知カードの配達が開始されるなど、徐々に国民の手に渡りはじめている。

 ただ、マイナンバー制度に関する具体的な内容への理解や認識については、まだまだ浸透していないのも事実だ。そこで本コラムでは、制度に詳しい専門家が素朴な疑問に対して回答。今回は、税理士・ファイナンシャルプランナーの大黒たかのり氏が解説する。

[質問]
副業をしていた場合、マイナンバー制度の導入によって会社にバレますか?

[回答&解説]
 マイナンバー制度の導入により、本業の勤務先に副業が知られてしまうのではないかという不安が大きいようです。ただ、結論から言ってしまうと、マイナンバー制度の導入が原因で副業がバレるということはないと言えます。今回はその理由や仕組みなど、マイナンバーと副業というテーマについて考えていきたいと思います。

 会社が従業員の副業を認識するのは通常、住民税の通知です。住民税の通知の流れは下記の通りです。

【1】年末調整後、会社が従業員の住んでいる市区町村へ源泉徴収票を提出します。
【2】確定申告後、税務署が従業員の住んでいる市区町村へ確定申告書を提出します。
【3】上記の【1】あるいは【2】の所得データをもとに、市区町村が住民税額を計算し、勤務先の会社へ通知します。
【4】会社は、上記【3】の通知を確認し、毎月給与から住民税を控除します。

 ポイントは、【4】の「確認」です。会社は従業員の給与を知っていますので、ある程度、住民税額の予想ができます。通知された住民税額が想定よりも多い場合は、何かイレギュラーな収入があったのではないかと考えます。

 市区町村から送付される住民税額の通知書には、所得の内訳が記載されます。会社の給料以外に何か収入があれば一目で判明。ちなみに、アルバイトなどで年末調整をしていなくても、会社は源泉徴収票を税務署と市区町村へ提出します。

■バレてしまうのは「税務署」

 マイナンバーで恩恵を受けるのは、税務署や市区町村でしょう。税務署や市区町村は従来、このような所得を捕捉することは非常に困難でしたが、名寄せが簡単にできるため、捕捉しやすくなります。

 会社員で年収2,000万円以下かつ主たる給与以外の所得が20万円以下なら確定申告は不要という制度があります。しかし、これは所得税の特例で、住民税にはありません。住民税の確定申告は必要になります。

 従来からきちんと確定申告している人にとってはマイナンバーが導入されても以前と変わりません。

 アルバイトやパートなどは給与所得になるので、これらを副業にしている場合は、本業分と副業分の住民税は別々に支払うことができないので、本業の会社に知られてしまいます。

 副業の個人事業で赤字となった場合、本業の給与と相殺され、住民税が極端に少なくなりますが、そのまま会社へ通知されますので、バレる可能性が高いと言えるでしょう。

■今までバレなかったのはなぜ?

 主な理由として、副業で勤務する会社が、源泉徴収票を税務署・市区町村に提出しなかったため、税務署や市区町村が収入の存在を把握できなかったことが考えられます。

 また、副業を個人事業として行っている場合では、取引先が支払調書を税務署に提出せず、本人も確定申告をしていないなどが考えられます。このケースでは、取引先の会社に税務調査が入るなどしない限り、税務署が収入を把握するのは困難です。いずれにせよ、いつバレてもおかしくない状態にあると言えます。

■副業している場合の対応法は?

 では、副業をしている場合は、どのように対応すればよいでしょう。

 まずは、確定申告。そして、住民税の徴収方法を「自分で納付」(普通徴収)にすることです。確定申告をしない方が会社にバレやすいのです。「20万円以下だから」「手渡しでもらっているから」という理由で確定申告を無視してしまうと余計にバレやすくなるのが実態です。

 マイナンバー導入で、いわゆる“水商売”などで働く人がいなくなると巷で言われていますが、通常このようなケースは給与ではなく、歩合給になっていることが多いかと思います。その場合、給与所得ではなく、雑所得あるいは事業所得に該当します。そういった方はきちんと確定申告し、昼の本業は特別徴収、夜の副業は普通徴収にすれば少なくとも会社には知られることはないでしょう。

 自分がもらっている収入が給与なのかどうかの簡単な見極め方は、源泉徴収票をもらっていれば「給与」、源泉徴収票ではなく「支払調書」をもらっている場合は「給与以外」の可能性が高いです。

 どちらももらっていない場合は「給与以外」の可能性が高いですが、会社が源泉徴収票を渡すのを失念しているケースもありますので、副業先に聞いてみるのがよいかと思います。

●筆者プロフィール
大黒たかのり(おおぐろ・たかのり):税理士・ファイナンシャルプランナー(東京都)。大学卒業後、会計事務所、運用会社を経て、2006年に大手町会計事務所を開業。現在、初心者に向けた資産運用、節税対策のほか、上場企業オーナーに対し、自社株対策や相続税対策を主に手がけている。

【マイナンバーQ&A】副業が会社にバレることはあるの?<個人編>

《大黒たかのり》

編集部おすすめの記事

特集

制度・ビジネスチャンス アクセスランキング

  1. 【養殖モノを海外で売る!:2】キャビアの商機は東南アジアに

    【養殖モノを海外で売る!:2】キャビアの商機は東南アジアに

  2. ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』に見る“契約”の価値観

    ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』に見る“契約”の価値観

  3. JR東海のリニア新幹線、川崎市麻生区に都市部トンネル

    JR東海のリニア新幹線、川崎市麻生区に都市部トンネル

  4. 本日の新聞から:トヨタがディーゼル、ホンダがシビックを復活、MRJ順調など

  5. 建設業界、「人手不足」は根拠がない話

  6. 東京23区内の大規模建築計画上昇中!最多はやっぱりあの区!?

  7. 【規制緩和が生む新観光業:3】高単価ガイドツアーが売れる理由

  8. 羽田空港跡地開発、中小企業の拠点形成なるか?

  9. 「一見さんお断り」、なぜ利益になる?

  10. 【防災という新ビジネス:3】高品質多品種でニーズをつかむ!

アクセスランキングをもっと見る

page top