証券化手法による地方都市の再開発、国交省が専門家派遣で推進 画像 証券化手法による地方都市の再開発、国交省が専門家派遣で推進

インバウンド・地域活性

 国土交通省が不動産証券化手法を活用して地方都市の再開発を支援する取り組みを始めた。地域の関係者でつくる「地方都市不動産ファイナンス協議会」に対し、専門家を派遣して必要な助言を行い、実現に向けた活動を後押しする。15年度の支援対象は、現時点で13地域。成果はプロジェクトを成功へと導く資金調達のノウハウ集にまとめる。16年度は、空き家・空き店舗の活用や旅館再生といった事業にも裾野を広げたい考えだ。
 協議会は、地域の不動産会社や金融機関(地方銀行、信用金庫、信用協同組合)、地方自治体などで組織。駅前の再開発などの具体的なプロジェクトを念頭に、事業形態に関する検討会やセミナーなどを行う。
 各地域の活動を支援するために国交省は、「地方都市の不動産ファイナンスの環境整備のための検討委員会」(委員長・田邊信之宮城大教授)を設置。検討委に参加するアセットマネジャー、金融(都市銀行、信託銀行など)、法律・会計の専門家などを派遣し、それぞれのプロジェクトの熟度に応じた支援を行う。再開発を後押しするための補助金や民間都市開発推進機構の制度など、支援メニューも紹介する。
 協議会を設置しているのは、公募で集まった北海道釧路市、宮城県石巻市、新潟市、長野市、滋賀県守山市、京都市、岡山市、広島県東広島市、鳥取県米子市、山口県下関市、高松市、熊本市と、公募終了後の随時受付で応募した石川県小松市を含めた13地域。今後も手を挙げた地域を加えていく方針だ。
 このうち、釧路市の対象プロジェクトは「釧路市北大通3・4丁目地区優良建築物等整備事業」。事業主体は北海道を拠点とする不動産会社のアルファコート(札幌市、川村裕二社長)。証券化手法を利用して地権者、商店街、まちづくり会社の出資や地域金融機関の融資を募り、関係者が当事者意識を持つことに役立てている。協議会がプレーヤー同士の結束を固め、モチベーション向上にもつながっているという。
 ノウハウ集では、これらの事例を参考に地域活性化に向けた資金調達の事例を紹介。他地域でも展開できるようにする。
 16年度予算の概算要求では、低未利用不動産のストック再生を視野に空き家・空き店舗、老朽旅館の再生といった小規模物件も支援対象に追加。不動産証券化の裾野を広げて「地域経済の活性化に貢献していきたい」(中田裕人不動産市場整備課長)としている。

国交省/地方都市の再開発、証券化手法で推進/専門家派遣し資金調達助言

《日刊建設工業新聞》

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