e-Sportsビジネスでプロゲーマーカップルが起業

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プロゲーマーカップルが起業、「ゲーム」と「人」を繋げるスタートアップ
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プロゲーマーとして情報の発信やプレイヤーと直接コミュニーケーションをとることができるイベントを定期的に開催しているプロゲーム団体「Evil Geniuses」所属、日本初の女性プロゲーマー チョコ(ChocoBlanka)氏。

同じく「Evil Geniuses」に所属している『ウルトラストリートファイターIV』世界王者(EVO2015ウルトラストリートファイターIV世界王者)のももち氏。

今回、11月4日にふたりが起ち上げた株式会社「忍ism(シノビズム)」についてGame*Spark・インサイドで独占インタビューを実施しましたので、その様子をお届けします。現役プロゲーマーとして活躍しながらの会社経営に込める想いとは一体どういったものなのでしょう。

―――今回はインタビューのお時間を頂き、ありがとうございます。まずはお二人の自己紹介をお願いします。

ももち:「Evil Geniuses」に所属しているプロゲーマー百地です。今回設立した株式会社忍ism(シノビズム)の代表取締役を務めております。

チョコ::同じく「Evil Geniuses」に所属しているチョコです。株式会社忍ism(シノビズム)では取締役を務めさせて頂きます。

―――早速ですが、今回の起業の経緯は?

ももち:もともとセカンドキャリアで会社経営をやりたかった、という部分もあるのですが、具体的な起業の理由としては、イベントの主催・運営を行う中で、ゲームメーカー様からの許諾を受けるのがどうしても「ももち」「チョコ」の個人ですとなかなか許諾も降りづらく、前に進みづらい部分がありました。法人化することで、BtoB(企業間取引)として公式な形で契約を結ぶことで、現状よりさらに良い形でイベント等を実施することができるので、起業に至りました。

「TokyoOfflineParty」「忍の会」を実施するにあたり、普段お世話になっている方々からも「今後も定期的にイベント実施するのであれば、法人化は行ったほうがよりスムーズに物事が進むと思うよ」とアドバイスを頂いていたこともあり、今回の形になりました。

―――法人化について。もともと構想はあったのでしょうか?

チョコ:「ふたりでいつかは会社を興したいね」という話はしていましたが、かなり先になると当初は考えていました。いわゆるセカンドキャリアのような形で、プロゲーマーを引退したあとに起業をするというのも選択肢の一つだよね、という話はしていました。

ももち:よくチョコと「引退後はどうしようね?」という話であったり、引退後に「こういうことやりたいな」というのはうっすらとはありましたが、こんなに早くそのタイミングがくるとは…(笑)。

―――なるほど。もともと「起業精神」は強いほうなのでしょうか?

ももち:私個人としては強いほうなのかな、と感じています。昔から興味もありましたし、将来的にはやりたいと考えていたので、今は「よしっ!やるぞ!」という気持ちです。

―――資本金も500万円と少ない金額ではないですね。

ももち:当初は100万円、200万円程度で立ち上げる話もありましたが「やるからにはとことんやろう!」ということで、500万円という形に落ち着きました。

―――事業内容はどのようなものになりますでしょうか?また会社として運営していく以上、マネタイズ(収益化)も重要になってきますが、どのような形を描いていますか?

ももち:いわゆる「e-Sports」の発展に貢献していける事業を行っていく予定です。まずはイベント運営ですね。現在も開催している「忍の会」「TokyoOfflineParty」などの内容をもっと充実させていきたいです。ここの部分が起業のきっかけの一つでもあるので、しっかりやっていきます。

チョコ:今のゲーム業界の構図として、メーカー様がいて、ゲームを遊ぶプレイヤーさんがいて、その派生として私たちみたいなプロがいて、最近設立された社団法人などがあって、といったカテゴリに分けられると考えています。その中で、現状その4つがなかなかうまく咬み合っていないようにも感じていて、私たちのような「プロゲーマー」だからこそできることもあるだろう、と。

そのひとつとして「世界で1番になれる後進の育成(プロゲーマーの育成)」を、会社の事業のひとつとして置いています。こういった育成も行いつつ、イベント等も開催し、ファンの方々やメーカーのみなさまに恩返しをしていきたいです。もっとゲーム業界を盛り上げていけるように貢献したいですね。

―――なるほど。育成に関して、プレイヤーからお金を頂く、ということは考えていますか?

チョコ:育成だけでなくイベントに関しても、基本的にプレイヤーさんからお金を集める、ということは考えていません。そこはやりたくない、ともともと思っていたので法人化してもその部分はブレずに持ち続けます。

―――プレイヤーからお金を貰いたくない理由は?

ももち:現状ある「格闘ゲーム」というパイを他社様と取り合っても、市場自体がスケールせずにどんどん縮小していってしまいます。「格闘ゲーム」「e-Sports」が今よりもっと大きくなるためには、スポンサー様のご協力であったり、ゲーム業界の外から新しい風を取り入れる必要があると思います。

―――「e-Sports」と一言にいってもいろいろな競技があると思うのですが、忍ism(シノビズム)ではどういったものを取り扱う予定でしょうか?

ももち:まずは「格闘ゲーム」ですね。

―――『ストリートファイター』シリーズだけではなく、「格闘ゲーム」全般ということでしょうか?

ももち:はい、そうですね。最初は『ストリートファイター』に関連するものが多くなってくると思いますが、将来的にはひとつのタイトルに絞らずに「格闘ゲーム」全般を取り扱う予定です。

―――先ほどの通り、ここ最近「e-Sports」界隈では、社団法人ができたり専門学校ができたりと活発化しているように感じますが、他社との差別化ポイントはありますか?

ももち:「プロゲーマーの育成や教育」といったものを掲げている他社様は多いと思うのですが、具体的に「誰が」「何を」「どのように」という部分が見えにくかったりするな、と。そういう意味では、我々のような現役のプロゲーマーが指導する、という点は強みになると感じています。

また格闘ゲーム以外のタイトルはマーケットや賞金総額なども大きかったりするのですが、日本人が世界でトップを取るにはどれくらい時間がかかるのか分かりません。一方で「格闘ゲーム」であれば、既に日本人が世界王者になったりしているので、成果が出しやすく、将来性があると考えています。自分たちにしかできないことはコレだ!という想いもありますね。

―――話は戻るのですが「忍ism(シノビズム)」という社名の由来は?

チョコ:もともとは「ももちがどうやら忍者の末裔らしい」という話がありまして…半分ネタのような話ではあるのですが(笑)。そこから「忍の会」という名前のイベント開いたり、ファンの方々が「下忍」と呼ばれていたりしているところから由来しています。

ももち:海外に向けても情報発信も行っていきたいと考えていますので、日本っぽいと言いますか、和風な感じの意味も込めてのこの「忍ism(シノビズム)」という社名です。

―――ビジネスとして戦う場は、日本だけでなく海外も視野に入れている?

ももち:両方やっていきます。自分達自身が戦っているのは海外ですが、国内もきちんと盛り上げていきたいです。

―――ももちさんに質問なのですが、いま現状世界王者として活躍していると思います。正直、プレイヤーとしての活動に専念したほうが儲かると思うのですが?

ももち:そうですね…(笑)。そもそも法人化自体は「儲けてやるぞ!」という想いで起ち上げたわけでもなく、かといって慈善事業ではないので「全然儲からなくてもOK」という気持ちは全くありません。ただ「儲ける」ことが1番の目標ではないですね。

チョコ:ゲームプレイ自体、賞金目当てでやっているわけでもないですしね。

ももち:「Evolution」「カプコンカップ」で「よし!賞金稼ぐぞ!」というモチベーションで出場しているのではなく「よし。一番になった。誰よりも俺が強いぞ。世界一だぞ」というところに価値を見出しています。

ももち:純粋に、自分の好きな分野で「世界一になりたい」と思っているような人材を育成していきたいですね。利益追求型の企業ではないかもしれません。

―――プロゲーマーと経営者として、二足のわらじとなると思います。大変じゃないですか?

ももち:恐らく、大変ですね(笑)。

チョコ:基本的には、選手発掘・育成の部分をももちにメインで担当してもらいつつ、イベント運営・その他の部分を私がカバー・サポートしながらの経営の形を考えています。

―――スポンサー様の募集もしていくと思うのですが、企業がスポンサードするメリットは?

ももち:一緒に未来を作っていけることです。私たち自身はプロとして本業で戦う以外に、媒体やメディアへの露出もさせていただいておりますし、自分たちで動画配信やイベント運営なども行ってきています。ですが、当然、ゲーム業界全体ですとか、e-Sportsの未来という大きなビジョンを実現するためには私たちだけの小さな力では限界があることは心得ています。

だからこそ、私たちのビジョンに共感し、スポンサードしてくださる企業様、支援者様がいらっしゃったら、一緒に未来を作りその未来を一緒にご覧いただけるということこそが大きなメリットになっていくのではないかと思っています。

―――一番やりたいことはなんでしょう?

ももち:次の時代の「スタープレイヤー」の育成ですね。新たな「梅原大吾」さんのような人材を育て上げていきたい。それは強く思います。

―――というと?

ももち:現在、現役のプロゲーマーとして活躍している日本の選手の方々は30代の方が多かったりします。「その次の世代で有名な選手は?」っていうと、恐らくぱっと出てこないと思うんですよね。そこをなんとかしたい。新しい世代を作り上げていけるきっかけを作っていきたいですね。

―――実際にももちさんが選手を育成して「コイツ、いいな」と感じた選手に対して、忍ism(シノビズム)として海外のチームやスポンサー様に積極的にコンタクトを取る、という動きはありうる?

ももち:はい、もちろんです。自分たちが海外および他のチームとのコンタクトを支援してあげるということもありますし、忍ism(シノビズム)として選手を抱えるという形の2パターンあると思っていて、そこはケースバイケースですね。

―――他のスタートアップ企業は「どうビジネスをしていくか?」から入って行くと思うのですが、おふたりのお話を伺っているとパッションの部分がかなり強そうですね。会社の企業理念とかはあるのでしょうか?

ももち:そうですね、気持ちの部分はかなり前面に出ていると思います。企業理念としては“我々は「ゲーム」と「人」を繋げます”というものを掲げています。少し臭いかもしれませんが(笑)。

チョコ:やっぱり私達がゲームが好きなので。

―――スポーツマンとして「起業をする」という選択肢はなかなか出てこないと思います。メーカーに入社したり他にもいろいろと選択肢はあったと思うのですが。

チョコ:いつかは絶対「引退」という事実と向き合うことになると思うんです。その時に自分達ができることって何だろう?って考えた時に、やっぱり「次の世代に繋げること」なのかなと。

いろんな道を考えていたりはしていたんです。解説者であったり、メーカーさんに入社したり、プロゲーマー選手のためのコーチとか…。そういったものをこの会社に詰め込んでいく予定です。

―――今後の活動の予定は?

チョコ:年始にイベントを実施する予定です。また、今後の予定として後進の育成の部分も進めていきたいので、情熱をもってゲームに取り組める若い世代のプレイヤーの方々を募集していく予定です。

「プロになる」ということは、ただ強いだけではダメで、配信の仕方やステージ上での立ち振舞など、プロとしての自覚をきちんと持っていることが大切だと考えています。そういった部分を一緒に伝えていきたいですね。

ももち:立ち振舞いも含めた「プロとしての品格」といった部分は、本当に意識していかないと身につかないものです。そういった点での「スタープレイヤー」をきちんと育成していきたいです。我々は海外でも通用できる「プロゲーマー」を育成していきたいと考えており、野球で言うと「メジャーリーガー」を育てていけるような活動を積極的に行っていきます。

―――話が逸れますが、おふたりはどういったご関係なのでしょうか?相当な「絆」が無いと会社を経営していくのも大変だと思うのですが。

チョコ:(笑)まだ結婚はしていませんが、もうかなり長い期間一緒にいたりするので、そこの信頼関係は築き上がっていると思います。

―――なるほど。ちなみに、おふたりは現役は引退しないですよね?

ももち:もちろんです!現役プロゲーマーとしてもきちんと結果を残しつつ、忍ism(シノビズム)の活動もきちんと行っていきます。まだまだ現役として高みを目指します。

チョコ:私も同じく、日本人初の女性プロゲーマーとして活動を続けていきます。私の想いとしては、女性のプレイヤーをもっと増やしていきたいと考えていますので、次の世代に繋がるような活動を頑張ります。

―――最後に、今後の意気込みを。

チョコ:今までいろいろやらせて頂けたのは、支えてくださったファンのみなさまやメーカーの方々のおかげだと強く感じています。これからは、今まで助けて頂いたものをみなさまに返していけるよう、前に進んでいきたいと思います。今後とも宜しくお願い致します。

ももち:プレイヤーとしては、常に高みを目指して頑張りたいと思います。またイベントや後進育成にも力を入れていきます。プレイヤー・経営者としてしっかり結果を残していけるよう頑張りますので、引き続き宜しくお願い致します。

―――「プロゲーマー社長」ですね!

ももち:そうですね(笑)

―――ありがとうございました。

ももち・チョコ:ありがとうございました。

起業にあたり、会社に込める熱い想いを語ってくれたももち氏、チョコ氏。本稿掲載後から、育成枠候補となるプレイヤーを募るようです。若手を中心に募集を行っていくようですが、年齢制限は特に明記はしていないとのことですので「プロゲーマーに興味がある!」という方は応募を検討してみるのも良いかもしれません。

また株式会社忍ism(シノビズム)の活動をスポンサードする企業も絶賛募集中とのことですので、こちらもあわせて見てみるのもいいですね。記事下部にある関連リンクより連絡をすれば、百地代表取締役・草地取締役が直接説明に伺うとのことです。

現役プロゲーマーが設立したスタートアップ企業。今後どのような事業展開をしていくのか目が離せません。

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《Game*Spark》

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