首都圏Look at/サービスアパートメント、都心部で高級物件整備進む 画像 首都圏Look at/サービスアパートメント、都心部で高級物件整備進む

海外進出

 ◇新規参入も増加傾向
 近年、驚くほどのスピードで増え続ける訪日外国人客。13年に初めて1000万人を突破したかと思うと、14年も1341万人へと急増。このまま推移すれば、20年に2000万人を目指す政府の目標はあっさりと達成されそうだ。訪問者が最も集中する東京都内では、観光客を受け入れるためのホテル整備だけでなく、ビジネス目的の訪問者をターゲットにした滞在施設の整備も花盛りだ。
 その代表格と言えるのが、ホテルと賃貸住宅の中間の機能を持つサービスアパートメント(SA)。東京を国際的なビジネス拠点にしようという国や東京都の掛け声に呼応し、外資系企業の経営者などエグゼクティブ層を顧客対象としたSA計画が都心部で次々と始動している。
 JR東京駅八重洲口に10月末に竣工した鉄鋼ビルディング(東京都千代田区)では、SA事業を全世界で展開する米国資本のオークウッド社が、最高級ブランド「オークウッドプレミア」を16年2月に開業する。2棟構成の同ビルの南館(地下3階地上20階塔屋1階建て)の6~19階に123室を配置する。
 同社は2000年に三井不動産との合弁で日本法人を設立してから、これまで国内8カ所でSAを出店しているが、プレミアクラスの物件は東京ミッドタウン(東京都港区)に続いて2カ所目。東京駅にほぼ直結という立地の良さを武器に攻勢をかける。
 東京駅を挟んで反対側の大手町エリアでは、世界最大手のSA運営事業者であるシンガポール資本のアスコット社が、17年1月に竣工予定の大手町ホトリア・大手町パークビルディング(大手町1-1計画B棟、地下5階地上29階塔屋2階建て)に最高級ブランド「アスコット・ザ・レジデンス」を日本初出店する。ビル最上部の22~29階に約130室を配置する。
 同社は02年に三菱地所との合弁で日本法人を設立したが、これまでの出店件数は4カ所に過ぎなかった。昨年4月のビル着工時に行われた開発事業者の三菱地所との共同記者会見で、リー・チー・クンCEO(最高経営責任者)は「日本経済は金融緩和や財政出動などで回復基調にあり、特に東京は国際的な金融ビジネスセンターの創出に向け、SAの需要もさらに広がる」との見通しを示した。今後の日本市場への期待感が新規出店を後押しした格好だ。
 この好機を逃すまいと、新規参入事業者も目立ってきた。既存のオフィスビルやマンションを改修し、SA事業に乗りだす事例も多い。
 国が国家戦略特区の規制緩和策として、旅館業法の特例を認める施策を進めていることも追い風といえる。通常1カ月からの長期滞在しか認められていないSAでも、特区認定されたエリアに限り10日程度の短期滞在者の受け入れが可能になるからだ。
 一方で、市場が過熱気味であることも確か。大手デベロッパーのSA担当者は「SA市場は3年周期くらいで急激に変化する。その際のかじ取りを間違えると大変なことになる」と指摘。08年のリーマン・ショックを挙げるまでもなく、世界の経済状況によって需要動向が一変してしまう怖さがつきまとうビジネスであることを忘れてはいけない。(毎週月曜日掲載)

首都圏Look at/サービスアパートメント/都心部で高級物件整備進む

《日刊建設工業新聞》

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