50年ぶりの国産小型旅客機・MRJ、初飛行へ最終調整 画像 50年ぶりの国産小型旅客機・MRJ、初飛行へ最終調整

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三菱航空機(愛知県豊山町)は5日、9―13日の期間中に予定する国産小型旅客機「MRJ」初飛行に向けた最終調整に入った。5日までに高速走行試験など地上での準備を9割以上終えた。既に国土交通省からは飛行許可を得ており、今後は機体の整備状況や天候なども考慮しながら、飛行前日に飛ぶかどうか最終的に決める。ターボプロップ機「YS11」以来、約50年ぶりとなる国産旅客機の初飛行まで秒読み段階だ。

◆安全祈願
 京都府の南部に位置する八幡市。住宅街の中にたたずむ「飛行神社」に10月4日、三菱航空機の森本浩通社長らの姿があった。
 飛行神社は「日本の航空機の父」とされる明治期の研究者、二宮忠八が創った神社だ。全国の航空機関連メーカーや航空会社などの参拝が絶えない。由緒ある神社で、森本社長らは神職から祈祷(きとう)を受け、当時10月下旬に予定していたMRJの初飛行に向けてパイロットらの安全無事を願った。

◆速度200キロ超
 MRJはその後、尾翼のラダー(方向舵)を操作するペダルを改修したため、約2週間の初飛行延期に見舞われたが、現在は“準備万端”だ。
 10月29日には国土交通省航空局から飛行許可を取得。11月に入り週末や祝日も返上で、愛知県営名古屋空港(豊山町)で走行試験を続ける。
 これらの試験で、走行速度は離陸寸前の時速200キロメートル超に到達した。関係者によると「パイロットが操縦かんを引けば、すぐにでも離陸する」状態。タイヤから白煙を上げるほどの急ブレーキをかける試験も複数回にわたり実施し、各種システムの動作確認も進んでいる。

◆騒音75%減
 初飛行は「真っすぐに飛ぶか」(岸信夫三菱航空機副社長)などの基本的な操縦特性の確認が目的だが、注目されるのは、その静かなエンジン音だ。MRJは「ギアド・ターボファン」(GTF)と呼ばれる新機構のエンジンを採用する。
 内部にギアを組み込むため、空気を取り入れるファンを低速で回しつつ、タービンは高速回転させられる。エンジン開発元の米プラット・アンド・ホイットニーは「従来機と比べて騒音を最大75%減らせる」とPRする。また、約2割の燃費向上にもつながる。
 世界では既にカナダ・ボンバルディアや欧エアバスの開発する旅客機が同型のエンジンを搭載するが、日本でGTFエンジンを積んだ旅客機が飛行するのは初めてだ。

 計5度の延期を経て初飛行に臨むMRJ。“生みの苦しみ”を味わってきた三菱航空機は、これまでで最大のヤマ場を迎えた。

MRJ初飛行へ最終調整 エンジン音にも注目

《ニュースイッチ by 日刊工業新聞》

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