中小企業の「定義」とは? 画像 中小企業の「定義」とは?

マネジメント

 政府・与党が年末に向けて議論を本格化する2016年度税制改正は、法人税改革における中小企業のあり方が焦点の一つになりそうだ。経済界は法人実効税率の早期の20%台への引き下げを要望するが、政府は代替財源のない減税は実施しない方針を示す。代替財源の選択肢の一つが、さまざまな税の優遇措置を受ける中小への負担増だ。だが日本商工会議所は負担増どころか一層の負担軽減を要求。来夏の参院選も見据えて議論の難航は必至だ。

 政府は回復力が鈍い設備投資を促すため、産業界との意見交換会“官民対話”に着手した。過去最高の収益を達成しながら設備投資に慎重な企業の背中を押し、経済の好循環を実現する狙いだ。

 これに対し、経団連などは法人実効税率を主要国並みの20%台に早期に引き下げ、設備投資に動きやすい環境づくりを政府に求めている。

 14年度に34・62%だった同実効税率(国・地方、標準税率)は15年度に32・11%、16年度に31・33%に引き下がることが15年度税制改正大綱で決められた。与党は数年内に20%台への引き下げを目指すとしており、経済界は17年度にも20%台としたい意向を示す。

 問題は財源。15、16年度の税率引き下げは先行減税ながら、租税特別措置(租特)の見直しや外形標準課税の拡大などにより17年度にはほぼ税収中立(増減税同額)を実現できる見通しだ。

 政府・与党は税率20%台を実施する際も同様に代替財源の確保を想定しており、「租特は期限が到来したものを中心に廃止を含めてゼロベースで見直す」ほか、法人税軽減税率の特例措置などを受ける中小の対象範囲を絞り込む考えも示す。

 税法上、中小は資本金1億円以下の企業と定義され、全事業者の99%に達する。一方、事業者数の1%に過ぎない資本金1億円超の企業が法人税収の6割以上を担っている偏りがある。

 このため与党は15年度税制改正大綱で「中小法人の中には大法人並みの所得を得ている法人もある」とし、資本金1億円以下を中小として一律で扱うべきかの「妥当性について(今後)検討を行う」としていた。

 一方、日商は外形標準課税の中小への適用拡大に「断固反対」の姿勢を示した上で、中小の定義について「中小企業基本法を念頭に、税法の基準を3億円まで拡大」するよう政府に要望している。政策減税の恩恵を受ける中小の適用範囲の拡大を求めたもので、与党税制改正大綱の考え方とは180度異なる。

 中小などに負担増を求めない先行減税を決断するのか、財政健全化に配慮して代替財源の確保に道筋をつけるのか。政府・与党は消費税10%時の軽減税率導入と同様、法人実効税率引き下げでも難題が待ち構えている。

シャープの「中小企業化計画」で思い出す…中小企業の「定義」とは?

《ニュースイッチ by 日刊工業新聞》

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