国交省、技能者経験蓄積システムの具体的検討をスタート

人材

 建設技能労働者の経歴や資格などの情報を蓄積する業界共通システムの構築に向けた実務レベルの具体的な検討が始まる。国土交通省や主要建設業団体などで作る官民コンソーシアムの下に設置した作業グループが4日、初会合を開き、15年度内の中間取りまとめに向けて制度設計の基本的な考え方を議論する。
 今後の主な論点は、蓄積する情報の種類、入退場管理の方法、情報登録の実行者、登録情報の閲覧範囲、情報の活用などになる見通しだ。
 現時点のイメージでは、各技能者にIDと、必要に応じてカードも発行。最初の登録で本人情報や保有資格、社会保険加入状況を入れ、現場の入退場管理で日々の就業情報を蓄積する。蓄積された情報には、利用目的や立場に応じてアクセスできる仕組みにする。
 特に活用方法はシステム導入のメリットに直結する重要なテーマ。業界統一のシステムにするためには、導入メリットの明確化が不可欠で、初会合でもメリットについて各団体から意見を聞く。
 国交省は議論を促すため、技能者や専門工事業、元請業者ごとにメリットを整理した。技能者にとっては能力の適切な評価やスキルアップへのモチベーション向上につながるとし、現場管理の効率化で現場に入る日数も増えると見込む。技能者を融通できる厚生労働省の「建設業務労働者就業機会確保事業」と組み合わせれば、雇用の安定化につながるとみる。
 「建設業退職金共済制度」(建退共)との関連では、証紙貼り付け状況の確認に活用でき、将来的にはシステムが証紙を代替できるとしている。
 専門工事業や元請業者は、優秀な技能者を抱える施工能力の高い業者を把握できるほか、社会保険加入状況を確実に確認できる。スキルに基づく効率的な技能者の配置や、経験に応じた新規入場者教育の簡素化も期待され、法定福利費の下請による請求や元請による算定もしやすくなる。
 官民コンソーシアムは8月に発足。システムの名称(仮称)を当初は「就労履歴管理システム」としていたが、国交省は「建設技能労働者の経験が蓄積されるシステム」と呼び方を変えた。
 業界側も積極的に動いており、日本建設業連合会(日建連)は7月に推進本部を設置、全国建設業協会(全建)も9月に検討ワーキンググループ(WG)を設けた。さらに日本電設工業協会(電設協)や日本空調衛生工事業協会(日空衛)が官民コンソーシアムのメンバーに新たに加わった。
 作業グループの構成団体は次の通り。
 【委員】日建連▽全建▽全国中小建設業協会▽建設産業専門団体連合会▽全国建設産業団体連合会▽住宅生産団体連合会▽全国建設労働組合総連合▽建設業振興基金▽就労履歴登録機構▽電設協▽日空衛
 【オブザーバー】東日本建設業保証▽西日本建設業保証▽北海道建設業信用保証▽厚生労働省。

国交省/技能者経験蓄積システム具体論へ/実務検討始動、作業グループ初会合

《日刊建設工業新聞》

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