【中小企業の『経営論』】第16回:研修熱心なオーナー社長の落とし穴 画像 【中小企業の『経営論』】第16回:研修熱心なオーナー社長の落とし穴

マネジメント

 企業における人材育成が大切なことは、今さら言うまでもないと思います。ただ、そんな企業の人材育成に関しては、様々な意見、議論があります。

「そもそも会社としてやるべきことか、本人の責任ではないのか」
「いつ、誰に、どのくらいのお金をかけてやるべきものなのか」
「そもそも社会人になる前に身につけておくことではないか」
「学校の責任か、それとも家庭の問題か」

などなど…

 私はどの指摘もそれなりに的を得ているとは思いますが、やはりすべてを本人任せにする訳にはいかないと思います。プロスポーツの選手であっても、試合の時だけ集まって、練習はすべて自主トレというようにはしないことと同じです。

 しかし、人材育成、教育ということには、とかくお金がかかるもの、余力が少ない中小企業では、人材育成に投資したくても、なかなか思い通りにできないということがあるでしょう。

 そんな中、知り合いの社長のお一人に、社員の人材育成にとても熱心な方がいらっしゃいます。社員200人ほどの通信設備関連会社のオーナー社長ですが、社内研修をはじめとした社員の人材育成に関することは、その企画や実施のすべてを自分自身で手掛けています。

 実際にやっているのは社内研修が主で、定例的なものやスポットで行うもの、受講対象や内容なども様々な形でやられています。周りには管理部門の担当役員や総務部長といった方々もいらっしゃいますが、何をやるかはすべて社長次第ということでした。

 実はこの会社で定例的に行っている社内研修の講師は、その大半が社長ご自身なのだそうです。社外に依頼することもあるようですが、社長が納得した相手に限られるようで、その場合の内容もかなり細かく吟味するようです。

 研修の成果について尋ねると、社長は「費用をかけずに密度の濃いことができている」「社員の視野が広がってきた」「仕事の取り組み姿勢が良くなってきた」などと満足げにお話をされ、周りの方々も黙ってうなずいています。

 これはコンサルタントとしての勘ですが、その時の様子が少し気になり、別の機会をみつけて総務部長にこの件のお話を聞いてみました。すると、「いや、実は・・・」ということで、こんな話をしてくれました。
《小笠原隆夫/ユニティ・サポート》

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