ヒートパイプでコンクリ内部を冷却、ひび割れ抑止工法実用化 画像 ヒートパイプでコンクリ内部を冷却、ひび割れ抑止工法実用化

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 鉄建は、冷却媒体が密封されたヒートパイプを用いてコンクリート内部を冷却するパイプクーリング工法を実用化した。ヒートパイプを介して外気温と内部温度の差を縮めることでひび割れを抑制する。温度調整などが不要なため現場管理がしやすい。ヒートパイプは繰り返し使用でき、コスト削減にもつながる。9月15日付で国土交通省新技術情報提供システム(NETIS)への登録が完了。今後は実績を重ね、来年度にもNETISの事後評価実施技術への登録を目指す。
 マスコンクリート(塊状のコンクリート)は、硬化中に水和熱によって内部温度が90度以上の高温になる。外気に触れるコンクリート表面温度と内部温度の差が大きくなると、ひび割れの発生確率が高まり、品質低下の要因にもなる。対策としては、コンクリート中に埋設したパイプ内に水を循環させて冷却するパイプクーリング工法が主流となっているが、大掛かりな循環・冷却設備が必要で、施工できる現場も限られている。
 同社が開発した「ヒートパイプを用いたパイプクーリング工法」は、ヒートパイプの機能だけでコンクリート内部を冷却するのが特徴だ。ステンレス製の棒状で熱の移動が速いヒートパイプをコンクリート内に埋め込み、高温になる内部の熱をヒートパイプで移動させて外部に放出。内部の温度上昇を抑制し、ひび割れを抑える。
 外気温と内部温度の差を縮めるシンプルな仕組みのため、簡易な設備で、施工中の管理やメンテナンスも不要だ。水の調達が困難な作業現場だけでなく、ヒートパイプを転用することで都市部のボックスカルバートやRC橋脚などコンクリートの打ち込み回数の多い現場にも適用できる。ヒートパイプを4回転用すると初期投資を回収できるという。
 同社は検証実験を経て、国交省中国地方整備局広島国道事務所発注の「東広島・呉道路『馬木高架橋』PC上部工事」(広島県東広島市、工期12年9月~14年3月)に新工法を初採用した。端部横桁のマスコンクリート(幅5・4メートル、長さ1・95メートル、高さ2・5メートル)に、約500ミリ間隔で計20本のヒートパイプを配置。ヒートパイプの長さは5メートルで、コンクリート内部に2メートル埋め込んだ。クーリング期間は3日間。
 実構造物でクーリング効果を検証した結果、コンクリートの内部温度が、対策なしの場合101・4度(数値解析)だったのに対し、新工法では87・6度(実測値)に低減。ひび割れの発生確率も対策なしが79%で、新工法が26・6%となった。温度上昇の抑制が可能で、ひび割れ対策としての有効性を確認した。

鉄建/ヒートパイプ使いコンクリ内部を冷却/簡易設備でひび割れ抑制

《日刊建設工業新聞》

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