MRJ、17年春の納入開始後は? 三菱重工副社長が語る 画像 MRJ、17年春の納入開始後は? 三菱重工副社長が語る

マネジメント

 国産小型ジェット旅客機「MRJ」の初飛行が迫ってきた。開発元の三菱航空機(愛知県豊山町)は23日、5回目となる初飛行延期を発表したが、約50年ぶりの国産旅客機が初飛行すれば日本は米欧やカナダ、ブラジルなどに続く旅客機製造国に一歩近づく。三菱重工業でMRJを含む民間航空機事業を統括する鯨井洋一副社長交通・輸送ドメイン長に、今後の戦略などを聞いた。

 ―MRJの初飛行が近づいています。
 「開発は子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)で進めている。今後は顧客サポート(CS)や機体量産の基盤を固めるフェーズ(段階)になるが、(2017年春の納入に向けた)スケジュールに基づき、人材採用やシステム整備など着実に進めている」

 ―試験飛行は日本ではなく、米国を中心に進める計画です。
 「拠点とするワシントン州モーゼスレイクの空港は4000メートル級の滑走路を持ち、飛行機を24時間飛ばせる。フレキシブルな運用が可能で必然的に米国の(航空機開発の)基盤を活用することになる」

 ―17年春の納入開始後は旅客機事業のあり方をどう考えますか。
 「三菱航空機は開発作業が減り、営業や顧客サポートの人員は増える。(現在の約1500人体制と比べて)軽量化した会社になるだろう。航空機の開発者を遊ばせるわけにはいかない。次世代機などいろいろなことを検討している。一方で、次世代機のあり方は簡単ではない。10年、20年後の市場動向などを考慮しながら、機体にどんな技術を織り込めるか、開発の(人的、資金的な)リソースをどう持つかなど、継続して検討していく必要がある」

 ―MRJなど航空機部品の量産を見据え、三重県の工場で中小サプライヤーの共同工場を整備しています。
 「世界で通用するサプライヤーになってほしい。航空機産業の中小企業は、品質や納期の面では国際的にも優れている。この力を生かし切るためには、産業クラスター(共同工場)によって生産の基盤を共有したり、物流効率を向上したりしてコスト競争力を上げることが必要だ。国際的に競争力のある製品を供給できれば我々のメリットにもなる」

【記者の目/納期順守へ総力が必要】
 愛知県営名古屋空港(豊山町)では連日のようにMRJの地上走行試験が実施されており、50年ぶりの快挙への期待が高まる。一方で初号機の納期まで既に2年を切る中、型式証明の取得に加え、世界のサプライヤーを含めた量産体制や顧客サポート体制の整備など課題も山積する。納期順守には、三菱重工業の総力が必要だ。

(聞き手=名古屋・杉本要)

MRJ、三菱重工副社長が語る将来像は

《ニュースイッチ by 日刊工業新聞》

編集部おすすめの記事

特集

マネジメント アクセスランキング

  1. 女性が働きやすい職場、管理職の意識改革――静岡市がアドバイザーを無料派遣

    女性が働きやすい職場、管理職の意識改革――静岡市がアドバイザーを無料派遣

  2. 15年業種別「顧客満足度No.1ブランド」が決定!

    15年業種別「顧客満足度No.1ブランド」が決定!

  3. 【倒産情報】プラント機器・機械装置設計・製造の長崎製作所自己破産へ

    【倒産情報】プラント機器・機械装置設計・製造の長崎製作所自己破産へ

  4. 超小型モビリティでまちおこし・新規事業を――国交省が補助金事業を公募

  5. 国内トラック市場好調「カーゴ系が牽引」…日野自動車 梶川専務

  6. 物流デベロッパー・トップの視点(4):野村不動産・山田譲二物流事業部長、高機能型施設にこだわり

  7. リリーフが遺品整理事業をフランチャイズ展開、3年で30店舗目指す

  8. 靴の上に履くJIS準拠の「安全靴」――山善『フットプロテクター』

  9. 経営者・幹部・人事担当者が学び、交流――19日から人材活用イベント開催

  10. 産休・育休、男女別トイレ設置……女性活躍へむけ建設業界の意識変革進む

アクセスランキングをもっと見る

page top