地域の担い手確保・育成~連携ネットワーク・群馬・沼田編・上/まず「板金」「瓦」で 画像 地域の担い手確保・育成~連携ネットワーク・群馬・沼田編・上/まず「板金」「瓦」で

人材

 ◇16年春、廃校跡で職人育成拠点が開校
 群馬県沼田市に来春、建設職人の育成拠点「利根沼田テクノアカデミー」が開校する。05年2月に同市と合併した旧利根村の廃校を利用。「板金」と「瓦」の2職種を手始めに、3カ月の短期集中型で施工の基礎を徹底的に教え込み、現場へと送り込める人材を育てる。28日に運営母体となる同名の一般社団法人の発足会議が開かれる。群馬県建設業協会の青柳剛会長が法人役員として参画し、「沼田発」の活動に協力。国土交通省も担い手確保・育成の全国モデルになるとして支援する。(編集部・岩本英司)
 利根沼田テクノアカデミーには、5年前に県の認可を受けた自前の職業訓練校で同業他社を含めた人材育成を手掛けてきた板金工事会社・テクノアウターの桑原敏彦会長の呼び掛けに応じたマツザワ瓦店(名古屋市)や、趣旨に賛同した鉄筋、型枠、左官、大工といった県内業者が参画する。板金、瓦の2職種でスタートする短期実践コースの人材育成の対象を、2年目以降、徐々に広げていく。
 「施工に使う道具の名前を覚えることから始めてしっかりと学ぶことが、現場に出てから大きな差となって表れる」。桑原氏は、自前で訓練を手掛けてきた経験からそう指摘する。多能工を6~12カ月かけてじっくり育てる長期実践コースも用意し、効率的な施工が行える人材の輩出も目指すという。
 訓練に利用する旧利根村立南郷小学校は、かつてテクノアウターが屋根工事を施工したこともあり、廃校跡の利用について「以前から目を付けていた」(桑原氏)。訓練では、校庭に実際の現場を想定した資機材を持ち込み、本番さながらの実技指導を実施。校舎内を改修し、座学用の教室のほか、研修生が寝泊まりできる畳敷きの宿泊室や調理室も整備する。
 初年度は板金、瓦ともにそれぞれ15人、計30人規模の研修を実施する計画で、早急にホームページを立ち上げ、参加者の募集も始める。
 過疎地の廃校をどう利用するかは全国的な課題となっている。沼田市の横山公一市長は、「衣食住の住を担う建設職人の技能伝承は重要だ」と強調。民間主導で南郷小に全国から人材を集めて育成しようという今回の取り組みをきっかけに、旧利根村に「建設職人のまち」のモデルをつくりたいと意欲を見せる。
 地域の住民たちも協力的だ。9、10月に2回開かれた校舎改修の説明会の際、調理室で研修生たちの朝昼晩の食事の用意に協力したいとの声が出席者から上がった。施設には入浴設備がないため、利根町振興公社が運営する近隣の温泉施設を使えるようにするなど、地域ぐるみの後押しを受けて取り組みをスタートさせることができそうだ。
 28日の発足会議には、横山市長、青柳会長、資金面や各種手続きを支援する国交省、建設業振興基金の幹部なども出席。母体となる法人の設立を祝い、来春の開校までのスケジュールやそれ以降の予定などを参加者で共有する。
《日刊建設工業新聞》

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