伝統を重んじながら金箔の新しい可能性を模索……箔一 画像 伝統を重んじながら金箔の新しい可能性を模索……箔一

インバウンド・地域活性

 北陸の伝統工芸のひとつに「金沢箔」という金箔がある。「箔一」は、金箔を使ったさまざまな商品を企画し、金沢箔のブランドをさらに広めた会社だ。20日開催された「北陸企業10社キャリアセミナー」(主催:ビズリーチ、トーマツベンチャーサポート)の参加企業のひとつだ。

 同社の手がける製品は、伝統工芸品から、金箔を使った食品、お菓子、化粧品に加え、建築用の内装など多岐にわたる。金箔を打ち込んだあぶらとり紙は同社の人気商品のひとつだ。これらの製品は、国内のみならず海外でも高い評価を得ており、中国などでは箔一の偽物が出回るほどだという。

 その箔一 代表取締役社長 浅野達也氏に話を聞く機会を得た。報道陣向けの質疑応答と個別インタビューの内容を以下にお伝えする。

――箔一が今回のキャリアセミナーに参加した目的はなんでしょうか。

もちろん、都市部の優秀な人材を確保したいからというものがあります。北陸は文化や伝統工芸に特徴のある地域ですが、ひとつの転機にあると思っています。北陸新幹線も開通したことで、東京からの人材の交流をもっと増やして、都市の感覚やセンスを事業に生かしたいと思っています。

――自社の課題、浅野氏の事業での悩みは?

最先端の情報はテレビやネットなどで触れることはできますが、それらに直接接することができる東京との違いは否めません。歴史的に北陸地方は伝統や文化を守ったものづくりを得意としています。しかし、伝統を守るだけでなく常に外からの刺激も取り入れてきました。今回は、人材のマッチングイベントで、我々の得意とする伝統的なものづくりを新しく生かすセンスを持った人材と出会えればと思っています。

――箔一が金箔をさまざまな用途に広げたきっかけはなんですか?

近代、金箔の需要は仏壇・仏具など限られた用途がメインでした。高度成長期以降、核家族化の進行などからそれも減少を続けていました。箔一は創業45年となりますが、その当初から事業の将来を考え、金箔をさまざまな用途に展開していました。実は先代の創業社長は私の母なのですが、女性ならではの感覚で金箔を生活にもっと生かしたい。使ってもらいたいという想いで作られた会社です。金沢箔に新しい価値を広げようと創業した会社です。

――海外での評価も高いようですが、その戦略のポイントを教えてください。

日本製というブランドで海外展開ができた時代もありましたが、ここ10年くらい、日本ブームなどといわれていても、本当に海外市場で勝負するには、やはり日本のアイデンティティが重要だと感じています。バブル崩壊以降、海外で日本製品と競合する製品や国が増えてきています。日本独自の文化や伝統工芸を生かした製品として、金箔をこれからも広げていきたいと思っています。
《HANJO HANJO編集部》

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