東京・中央区の街づくり、「交通」キーワードにインバウンド強化 画像 東京・中央区の街づくり、「交通」キーワードにインバウンド強化

インバウンド・地域活性

 ◇町屋の伝統と共存図る
 海外からも多くの人々が訪れる東京随一の観光地の銀座や日本橋を抱える東京・中央区。築地の中央卸売市場が16年11月に江東区豊洲に移転し、臨海部の晴海地区には2020年東京五輪の選手村が整備されるなど、これから区内は大きな変化の時期を迎える。区の街づくり行政を長年にわたって担ってきた吉田不曇副区長は、「日本の中心としての区の役割を考えた場合、日本の経済規模を維持・発展させられるような構造を都市の中につくる必要がある。区としては、インバウンド(訪日外国人旅行者)を大事にした街づくりを進めたい」と展望を話す。
 区は9月、街の将来像などを示した「中央区基本構想」を見直す検討作業に着手した。この20年間、一時的に激減した人口を回復させるための政策に注力してきたが、近年は臨海部での高層マンション開発などにより想定以上に人口が増加した。吉田副区長は「新たな人口に対し、いかに行政基盤を整備するかという課題に直面している。さらに、卸売業など区内の主要産業の変質も迫られている。区の中長期的な政策の見直しを図る時期だ」と話す。
 東京を訪れる外国人観光客数は増加基調にあり、区内も銀座を中心に観光客で連日にぎわっているが、吉田副区長は、これから東京が国際的な都市競争を勝ち抜いていけるかどうかには疑問を投げ掛ける。「現時点では、業務基盤と生活基盤のどちらの国際化も立ち遅れている。ツーリストにもビジネスマンにも東京の安全・安心を享受してもらわないといけない」と訴える。区としては今後、住宅系施設よりも宿泊系施設の整備に重点を置いた街づくりに取り組む考えだ。「東京が業務地として国際的な中心となるには、学校施設や医療施設などあらゆる機能の国際化が必要だ」とも指摘する。
 直近の街づくりの課題としては、▽東京駅前(八重洲口)の再開発▽築地市場の跡地活用▽東京五輪・選手村の整備-の三つを挙げる。「キーワードは、交通。区内各地で行われる街づくりが有機的に連携し、国際的な交流都市を形作ることが理想だ」。区内を縦・横に通る中央通りと晴海通りを軸に、民間企業などによる都市開発を誘導し、複合的な機能を区内全域に広めていくという。
 区内には、現在も江戸時代以降の「町屋」の伝統が息づく。「持ち込むべき新しい機能と、大事にしていく伝統を、いかにかみ合わせていくか。地域住民と活発に議論し、一緒になって街づくりを進めていきたい」と意気込みを語る。

One Step/東京・中央区「都心の街づくり将来像」/インバウンド重視へ

《日刊建設工業新聞》

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