狭い土地でも短時間で測定…大林組らが可搬式の放射能測定装置 画像 狭い土地でも短時間で測定…大林組らが可搬式の放射能測定装置

インバウンド・地域活性

 大林組とキャンベラジャパン(東京都台東区、畠中一郎社長)は、福島第1原発事故に伴う除染で発生した廃棄物の放射能濃度を測定できる可搬型装置を開発した。「可搬型TRUCKSCAN(トラックスキャン)」と呼ぶシステムで、測定器をユニット化することで、仮置き場のような小さな敷地にも設置可能な点が特徴。測定時間の短縮も図り、フレキシブルコンテナ8個を積んだトラックの場合、約30秒で測定が可能という。今後、中間貯蔵施設への除染廃棄物の搬入が本格化する中で、放射性濃度測定の効率化に対するニーズが高まるとみられ、両社は幅広い活用を提案していく方針だ。
 同システムは、環境省による15年度除染・減容化等技術実証事業に採択されており、福島県富岡町で実験を行っている。その様子が、13日に報道陣に公開された。
 除染廃棄物の放射性濃度測定は、作業員がフレキシブルコンテナの表面の線量を測定する手法が一般的だが、測定個所の空間放射線量が影響してしまうことや、作業員の被ばくといった懸念があった。このため、両社は、ゲート型の測定器を13年に開発していた。
 今回の開発したのは、その改良版で、ユニット化した検出器を4台活用する。測定車両に合わせて検出器の高さを自動に調整する仕組みも導入しており、4トンダンプや20トンダンプなどさまざまな車両に対応できる。測定方法には、測定時間が短く比較的安価な「NaI(ヨウ化ナトリウム結晶)検出器」を採用した。クレーン付きトラックにより運搬と組み立てが可能で、計測システムを含めて1日で設置した。装置全体のコストは約1億5000万円。
 実証実験では、可搬型TRUCKSCANによる測定結果と、ゲルマニウム検出器による測定結果を比較し、精度を検証。178体による測定の誤差は16・5%だったという。タブレット型端末を用いて、各フレキシブルコンテナの測定結果を容易に管理できるシステムも構築している。
 大林組の納多勝理事土木本部統括部長(除染・中間貯蔵プロジェクト)は、「どのように使えば効率的なのかをさらに検討し、環境省などに提案していきたい」と話している。

大林組ら/小規模敷地・短時間で放射能濃度を測定/可搬型装置を開発

《日刊建設工業新聞》

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