公共工事の発注急減、富山など3割以上減の地域も 画像 公共工事の発注急減、富山など3割以上減の地域も

インバウンド・地域活性

 国や自治体の発注工事が減少している。公共事業前払金保証事業会社3社(東日本・西日本・北海道)がまとめた保証対象工事などの請負金額は、4~9月の累計が3社とも前年同期を下回った。3社とも国、都道府県、市区町村それぞれの発注工事の請負金額が前年同期より少なかった。富山、和歌山、宮崎のように30%以上下落した地域もあり、15年度補正予算の早期編成や16年度当初予算での公共事業費の増額を求める声が強まりそうだ。
 3社が集計した4~9月の累計請負金額は、東日本建設業保証が5兆0619億円(前年同月比1・8%減)、西日本建設業保証が2兆6628億円(8・8%減)、北海道建設業信用保証が6196億円(15・6%減)といずれも前年同期の水準に届かなかった。7月以降は3社とも請負金額が前年を下回った。東保証、西保証は、東日本大震災の被災地の大型造成工事や東京都内の大型再開発工事を発注した都市再生機構、高速道路会社を含む独立行政法人などからの請負金額が増えていた。
 一方、東保証は国、都道府県、市区町村からの請負金額が減少し、国の減少率は10・9%となった。西保証は、国、府県、市町村発注の工事とも請負金額が前年同期を下回り、国の減少率は22・1%、府県は10・9%と高かった。北保証は、国、独立行政法人など、道、市町村とも前年同期の水準を下回り、いずれも減少率が2桁になった。
 14年度上半期は、前年度補正予算が繰り越し執行されていたのに加え、景気対策として当初予算の前倒し執行が行われていた。その反動で、15年度上半期は「前年を下回る」(三澤眞東保証社長)との見方が出てはいたが、地域別に状況を見ると様相は大きく異なる。
 東保証は、東北、関東、甲信越、北陸、東北のうち、前年同期を超えたのは、独立行政法人などの大型工事に下支えされた関東だけ。北陸の減少率は18・8%で、富山は32・8%に達した。震災復興工事が続く東北は、放射能除染工事の反動が大きく出た。請負金額別に見ると、5億円以上の大規模工事の割合が40・1%(前年同期35・3%)に高まり、発注工事が大型化している傾向にあった。
 西保証では、近畿、中国、四国、九州の全地区の請負金額が前年同期を下回り、中国と九州は減少率が2桁になった。府県別に見ると、前年同期を超えたのは、大阪、滋賀、奈良、香川の4府県にとどまり、19府県が減少。和歌山は31・9%、宮崎は32・2%と減少率が30%を超える急減状態にある。
 北保証は、道南、道央、道東、道北とも減少し、道南の減少率が26・5%と大きかった。
 請負金額が減少する中、地域格差が拡大していることで、都道府県建設業協会からは「仕事がないからこそ、長期の戦略を練らねばならない」(山中栄広高知県建設業協会会長)として、補正予算の早期編成や当初予算の増額を求める声が強まっている。

公共工事の発注急減/3保証、4~9月集計/地域格差も拡大、予算増額要望強まる

《日刊建設工業新聞》

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