日建設計、豪バカンとの業務提携で来年1月より人材・技術交流 画像 日建設計、豪バカンとの業務提携で来年1月より人材・技術交流

海外進出

 日建設計は、9月17日に業務提携したオーストラリアの大手建築設計事務所・バカンとの今後の事業展開方針を公表した。来日したバカンのデビット・マーチン最高経営責任者(CEO)と共に9日、東京・飯田橋の日建設計本社で亀井忠夫社長は「来年1月から互いの設計部門の人材を派遣し合い、実際のプロジェクトの設計作業に携わり、技術交流する」と発表した。最初の共同プロジェクトは中国、東南アジア(ベトナム、インドネシア)での商業施設や住宅、ホテルなどの複合開発が挙がっている。
 発表には、バカンに常勤取締役として派遣される井上郁美プロジェクト開発部門コンサルティングパートナーや、バカンの非常勤取締役となる大松敦常務執行役員、宮川浩フェロー役員も出席した。
 亀井社長は「創業からバカンが125年、日建が115年と互いに歴史があり、クオリティーの高いデザインを通じて良質な社会環境づくりに貢献したいという経営理念が共通する」、マーチンCEOは「日建設計は人に投資し、人が唯一の資産と考えている。歴史や価値観、仕事の考え方が共通し、業務の補完効果も期待できる。これほど相性のいいパートナーは見つからない」と提携に至った経緯を説明した。
 亀井社長は今後の事業展開について「得意領域は、バカンが商業施設(リテール)や住宅(レジデンシャル)、日建はオフィスや複合開発であり、互いに補完し合い、グローバルに事業を展開する」と強調した。
 両社の受注高に占める施設別の構成比をみると、日建のトップはオフィスの38%、バカンのトップはリテールの54%。英ワールドアーキテクチャー誌によると、日建は社員数で世界2位、バカンが60位と開きがあるが、リテール部門の売上高は日建が世界6位、バカンが5位と近接し、バカンは商業施設で特に強い。
 海外の事務所は、日建が北京、上海、大連、ドバイ、ハノイ、ホーチミン、ソウル、モスクワ、シンガポール、バカンがロンドン、上海、ドバイ、ニュージーランドにそれぞれ保有。重なるところが少なく、地域別の受注攻勢でも補完効果が期待される。
 大松常務執行役員は「日建の強みは建物、都市基盤施設、駅前広場を一体として整備する複合開発だ。商業空間のデザインセンスに優れたバカンが加わると、魅力ある都市空間、豊かなデザインを彩りできる」と今後の提携効果を強調した。
 亀井社長は人材交流について「バカンにはエンジニア部門がないため、構造や設備の設計部門からも人を出したい」と述べた。提携効果については「互いの情報ネットワークを活用し、今までにない(川上の)プロジェクトの情報を集められる」と指摘し、「両社共同のプロジェクトは地域を限定せずに行う」とした。
 日建設計は経営方針で全受注高に占める海外受注の比率を、現行の15%から2020年度に20%まで引き上げる計画だが、「バカンとの提携で20%より上積みしたい」との考えも示した。

日建設計/豪バカンとの業務提携で事業方針/16年1月から人材・技術交流

《日刊建設工業新聞》

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