「中小企業の《経営論》」第14回:中高年人材を嫌う会社と活かす会社 画像 「中小企業の《経営論》」第14回:中高年人材を嫌う会社と活かす会社

人材

 最近、主に大企業で要員過剰となっていたり、定年を迎えたばかりの中高年人材を、中小企業を中心とした人材需要が高い会社にシフトして活躍してもらおうという動きがあります。会社が実施するアウトプレースメントによるものや、人材紹介会社などが取り組む顧問派遣のようなものがあります。

 ここ数年の人材需要として、どんな業種、職種であっても、若手のリーダー人材が欲しいということは変わっていませんが、そんな人材が思うように採用できないこともあり、中高年人材を受け入れ、その人の経験を活かしたいと考える企業が増えてきました。

 多くの中小企業では、経営にたずさわれる人材は確実に不足していますから、それを担うことができるのは経験豊富な中高年人材ということになるでしょうし、少子高齢化という大きな流れにおいても、中高年人材の活用を考えるのは必要なことだと思います。

 ただ、そうは言っても、中高年人材を好ましく捉えられない企業も存在します。私が知る中でも何社かありますが、これらすべての会社では中高年人材の受け入れ経験があり、なおかつそのすべてが「もうこりごり」というような言い方をしています。「給料ばかり高くて、何も役に立たなかった」などといいます。

 実は私自身も、中高年人材を受け入れる企業側の人事として、これまでずいぶん多くの人にかかわってきました。十数年前までさかのぼる例もあるので、今とは環境が違う部分もありますが、事前にかなりの時間を取ってお互いの理解に努め、慎重に慎重を重ねた上で受け入れても、結果的にはなかなかフィットせず、うまくいった経験はごく限られたものとなっています。

 なぜうまくいかないのか。私が当時から感じていたのは、中高年人材が、環境に合わせてアジャストできる幅の狭さでした。会社を変われば、働く環境や仕事内容は当然変わるわけですが、元の会社での環境や仕事内容との相当な類似性がないと、なかなかフィットしませんでした。

 共通していたのは、周りが何でもお膳立てをしてくれることが、当然のこととして染みついてしまっていることでした。特に大企業出身者ではこの傾向が強かったですが、自分から動こうとせずに、周りからのアクションをひたすら待っていたり、制度がない、仕組みがないなどと、その会社の環境が整っていないことをあげつらったりという人が何人もいました。

 この話を「もうこりごり」といっている会社に聞いてみると、意外と同じようなことを言います。時代は変わっても、問題自体はあまり変わっていないようです。
《小笠原隆夫/ユニティ・サポート》

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