米焼酎トップシェア・高橋酒造、ブランドイメージづくりの鍵は? 画像 米焼酎トップシェア・高橋酒造、ブランドイメージづくりの鍵は?

インバウンド・地域活性

 国内で酒類の消費停滞が続く。本格焼酎業界は復権に向け、あの手この手で取り組んでいる。中でも今後のシェア拡大が期待される米焼酎。米焼酎トップシェアを誇る高橋酒造(熊本県人吉市、高橋光宏社長、0966・42・2366)も認知度アップや差別化のため、ブランド戦略を活発化させている。

 ブランドイメージを高めるのがCM。「コマーシャルは愛飲いただく消費者ひとりひとりへの私からの手紙だ」と、高橋社長はCMの品質にこだわる。現在は女優のミムラさん、歌では前川清さんを起用。シンプルに、和食にマッチするというブランドイメージを訴える。

【食中酒として】
 「和食にマッチする」は同社ブランドにとってマーケティングのカギだ。本格米焼酎は、香りや味わいにクセがない。このため清酒と同様、食中酒として楽しむことができる。こうした新しい飲み方の提案で市場拡大を狙う。

 2015年4月に発売した『百』(ひゃく)。熊本県出身の放送作家、小山薫堂さんが企画を担当。原材料、酵母、製法から、ボトル、パッケージまで、とことんこだわりぬいたプレミアム米焼酎だ。「すしに合う」をキャッチフレーズに、東京の一流すし店のお墨付きも得た。生産本数は年間約3000本。球磨焼酎ミュージアム「白岳伝承蔵」(熊本県人吉市)と、JR九州の豪華クルーズ列車「ななつ星in九州」内での限定販売という戦略は、プレミアム感を一層高める。

【自ら選ぶ時代】
 「近年、流通のあり方自体が変化した」と高橋社長は指摘。「かつては街の酒屋の主人が消費者に良い酒を薦めていた」という。現在は消費者がブランドを認知し、百貨店やコンビニの店頭で「自ら選ぶ時代」と分析する。今後は、店頭プロモーションや消費者キャンペーンなどさまざまな方法をミックスし、認知を高め、販促のビジネスモデルの構築が必要とみる。

 作り手が消費者に直接訴え、反響がその場で返ってくるのが試飲即売。今年5月にイタリアのミラノ国際博覧会の会場で開いた試飲イベントでは、約1400人の来場者の約96%から好評価を得た。蒸留酒を食中酒として楽しむ習慣が少ない欧州市場への「販路拡大の可能性を感じた」(高橋宏枝海外営業本部課長)と、自信を深める。

 同じく5月に、京都で開催された全国規模のイベント「第2回居酒屋大サーカス」には熊本チームとして参加。「一般来場者に直接接客を行って大きな手応えを感じた。今後も原点回帰の取り組みを地道に続ける」(広松信房ブランド戦略室長)という。

 高橋社長は「歴史や製法と共に”米文化“を守り伝えることは米焼酎トップメーカーの社会的責任。地域性が濃い焼酎文化は、やみくもに異なる市場に拡大しても文化として維持できない」と力を込める。今後、多様な文化を受け入れる大都市圏や海外が米焼酎市場拡大のターゲットとなりそうだ。
 (文=勝谷聡)

米焼酎トップシェア・高橋酒造の販促戦略

《ニュースイッチ by 日刊工業新聞》

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