薬草で耕作地再生、民宿などで食材に…長野県木曽町 画像 薬草で耕作地再生、民宿などで食材に…長野県木曽町

インバウンド・地域活性

 御嶽山麓の長野県木曽町で、増える耕作放棄地を活用しようと、薬草の栽培が始まった。同町は今年から薬草を育てるプロジェクトを立ち上げ、町の試験農場で土地に合った薬草を探している。収穫した薬草をそのまま薬向けに販売するには、まだ十分な収量がない上、薬事法に対応した販売も求められるため、まずは新たな食材として栽培を進めていく考えだ。

・農家の知識醸成 お試し栽培提案

 プロジェクトのリーダーの都竹亜耶さん(36)は、2011年に地域おこし協力隊として東京から同町に移住した。御嶽山麓は古来から薬草の宝庫だったことに着目、「耕作放棄地の活用と、かつての薬草文化や知識を子どもたちに伝え食育につなげたい」と薬草栽培を思いついた。

 まずは5アールの畑で「カミツレ(カモミール)」などハーブ10種類の栽培から始め、5月には山から採取した薬草を追加。現在は合わせて約30種類を栽培する。月に1回、地元の農家を試験農場に招き、「薬草を試しに作ってみませんか」と栽培を勧めている。

 一方で毒性の強い薬草も多く、十分な知識がないと危険な場合もある。このため試験農場では黄色い花が特徴のキンポウゲ科の「キツネノボタン」など、間違って食べると死に至るような危険な薬草も栽培、農家に知識を伝えている。

 薬草栽培の指導に当たる特定非営利活動法人(NPO法人)自然科学研究所の小谷宗司代表は、胃腸を整える効果がある「センブリ」や、滋養強壮剤として市販される酒の原料になる「イカリソウ」などが土地に合うと提案、試験農場で栽培を始めた。

 都竹さんは「御嶽山噴火から1年が過ぎたが、もがきながらも、町に合った薬草栽培を通じて地域を元気にしたい。道の駅や地元の民宿で薬草を食材として使ってもらえば、町おこしにつながるのではないか」と構想を練る。

薬草で放棄地 再生 “新食材”育成プロジェクト始動 民宿の逸品料理に 長野県木曽町

《日本農業新聞「e農net」》

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