太田昭宏国交相、TPP大筋合意でインフラ海外展開に期待

海外進出

 太田昭宏国土交通相は6日の閣議後の記者会見で、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉が大筋合意に至ったことに触れ、政府調達をめぐる交渉結果から、日本のインフラ輸出の促進につながることに期待を表明した。TPPでは、マレーシア、ベトナム、ブルネイの3カ国で国際入札が新たに義務付けられる。建設業の海外進出の門戸拡大を受けて国交省は、政府調達以外の分野の交渉結果を含め、日本企業の海外事業でどのようなメリットや影響が出るかを整理する作業に入った。
 政府調達に関する交渉では、世界貿易機関(WTO)の政府調達協定を締結していない3カ国について、外国企業を自国企業と同等で扱う内国民待遇や無差別待遇原則、調達手続きの透明性確保に関する詳細な手続き規則を初めて国際約束として規定した。これにより、3カ国の政府調達市場へのアクセスが改善する。
 このほか、米国、オーストラリア、カナダ、シンガポールは既存の国際約束以上の対象機関について政府調達市場を開放。オーストラリア、チリ、ペルーは既存の国際約束よりも国際入札の対象とする調達の基準額を引き下げる。
 これまでのTPP交渉について太田国交相は、「自動車の安全基準と政府調達における国際入札の2点に留意してきた」と指摘。政府調達に関する今回の交渉結果については、「わが国のインフラ海外展開促進につながることが期待される」と評価した。一方、日本の約束内容が既存のWTO協定と同水準を保ったことから、「国内建設市場への影響は生じないものと考えている」との見解も示した。
 海外でのビジネスチャンスが一段と拡大することとなった今回の交渉結果を受けて国交省は、所管産業である建設業や不動産業が海外展開する場合に、金融サービス、電子商取引、知的財産、労働、環境など個別分野での交渉結果が、どのような効果や影響を及ぼすかを精査する作業に着手した。日本企業にとってメリットとなる内容を検討し、所管業界にフィードバックしていく。
 安倍晋三首相は同日の記者会見で、全閣僚をメンバーとするTPP総合対策本部を設置する意向を表明した。交渉12カ国のTPP締結は16年1月以降。その後、各国の批准を経て発効する。

太田昭宏国交相/TPP大筋合意でインフラ海外展開に期待/交渉各分野の影響整理

《日刊建設工業新聞》

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