日本工営福島事業所が生産強化 画像 日本工営福島事業所が生産強化

マネジメント

 再生可能エネルギーの導入拡大による需要増を背景に、日本工営の電力エンジニアリング事業の受注が伸びている。好調な受注を支えるのは水力発電設備と太陽光発電モニタリングシステムの二つ。同社の電力関連設備とシステムの生産を担う電力事業本部福島事業所は建物を増設し、対応を強化している。
 同社の電力エンジニアリング事業の15年6月期の売上高は、前期比40億円増の180億円と全売上高のほぼ4分の1を占めた。営業利益率は15・7%。1桁台の営業利益率で推移した主力のコンサルタント事業に比べて高い収益を挙げている。
 高収益を支えるのが関連設備・システムを生産する福島事業所だ。須郷康史所長は「当事業所の売上高の6割は電機系(制御システム)、4割が機械系(水力発電装置など)で推移してきたが、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の施行で昨年から機械系の受注が増えている。機械系の受注を積み上げ、将来は半々にしたい」と話す。
 水力発電事業は「1社で設計から製造、施工、運転までできる企業は国内で当社だけ」(須郷所長)という国内外で実績を重ねた高いブランド力が受注の源だ。水力発電市場に参入する電力と無縁の企業が増え、設備製造に加え、アフターサービスも受注増の要因という。
 福島事業所では昨年、水力発電設備を生産するスペースを増設した。主力商品はフランシス水車を中心とする水力発電設備。水車の羽の部分となるランナーはこれまで、鋳物の型抜き生産で完成までに1年程度の期間を要したが、現在、ステンレスの固まりからコンピューター制御の専用機械で削り出して作る新たな製造方法を開発中だ。実現すれば製造期間が約3カ月に短縮できるという。須郷所長は「ほぼめどがついた。コストも縮減でき、競争力も高まる」と近い将来の大量生産化に期待を込める。
 同社は、自治体に代わって自らが既設ダムに発電設備を設置し、発電を行う水力発電事業を全国7カ所で進めている。7カ所のうち5カ所は既に稼働。残る2カ所が整備中だ。さらに、落差が2~3メートルの小さな川でも設置できるらせん水車の実証試験も行っている。須郷所長は「こうした技術を使えば、水力発電の設置候補地は全国に数百カ所はある」とみる。
 水力発電関係と並ぶ収益事業に成長したのが太陽光発電モニタリングサービスだ。産業用太陽光発電設備は全国にたくさんあるが、須郷所長によると、発電量や運転状態などを把握する遠隔監視のシステムやサービスがなかったという。「この2年で200台を売り込んだ。こうしたシステムを切り口に、自らが太陽光発電事業に参入できればいい」と強調。今後、水力発電とは反対に、システム受注から電力事業に参入するビジネスモデルの構築を目指す。

日本工営/電力エンジ事業の受注好調/福島事業所が生産対応強化

《日刊建設工業新聞》

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