中核の住宅事業に加え都心複合再開発に注力…野村不動産・宮嶋社長 画像 中核の住宅事業に加え都心複合再開発に注力…野村不動産・宮嶋社長

インバウンド・地域活性

 11月にも今後の事業展開の方向性を示す新たな中長期経営計画を発表する野村不動産ホールディングス。本年度は中核事業会社の野村不動産を含めて経営体制を一新。4月に就任した野村不動産の宮嶋誠一社長は、開発事業の推進に向けて「ここ3年間は(投資を抑えて)財務基盤の改善を図ってきたが、いよいよ積極的な投資ができる局面に入ってきた」と意欲を示す。
 --現在の事業環境は。
 「不動産市場には追い風が吹いている。住宅は、東京都心のマンションを中心に価格が上昇しているが、売れ行きは好調。首都圏だけでなく関西圏なども同様だ。賃貸(オフィスや商業施設など)は、近年ずっと低下していた賃料が上昇に転じた。2020年東京五輪後を見据え、経済の右肩上がりを維持し、インバウンドが途切れない手だてを打たなければいけない。2027年にはリニア中央新幹線も開業する。そうしたことを念頭に、競争力ある街づくりをしていくことが重要だ」
 --今後の事業展開をどう描く。
 「これまでは住宅事業への投資が比較的多かった。前年度は初めて供給戸数7000戸を達成した。リーマンショック後に4000戸台まで落ち込んだことを考えると、大幅に改善した。住宅事業は当社の屋台骨として安定的に成長させる。これから注力したいのは賃貸事業。中規模オフィスビル『PMO』、都市型商業施設『GEMS』、物流施設『Landport』などの収益不動産開発は、年間700億円程度の投資を計画している。市街地再開発事業に取り組み、固定資産の取得も進めたい」
 「再開発事業は現在、35件(計画中を含む)に参画している。以前は住宅開発ばかりだったが、現在はいくつか複合開発の案件をストックしている。複合開発で導入する都市機能は多種多様。ホテルやサービスアパートメント(SA)などの導入も想定している。再開発事業は(事業化に)時間はかかるが、さらに案件を増やしていきたい」
 --注力するエリアは。
 「東京都心では、まず本社がある新宿。(野村証券本社があり)発祥の地である日本橋・人形町や芝大門にはPMOやマンションを集中して開発している。単体の開発に終わらせず、ある程度エリアを限定し、施設を集中させることで付加価値を創出する。日本橋一丁目地区(野村証券本社ビル周辺)、芝浦一丁目地区(浜松町ビルディング周辺)といった大規模な再開発も計画している」
 --建設コスト上昇への対応策は。
 「この2年程度は、(確実な発注に向けて)ゼネコンと事前にスケジュール調整を重ねている。当社は発注量は潤沢にあるので、それとゼネコンの仕事量や職人の確保状況を照らし合わせる。特定のゼネコンに絞って継続的に発注する傾向にある」
 --会社の将来像をどう描く。
 「未来の街づくりをすることがデベロッパーの使命。ハード整備にとどまらず、グループを挙げて、住み、働き、憩えるような街を運営し、街の価値を上げていくことが重要だ。住宅事業、賃貸事業、サービス・運営事業の三つを同じ利益水準まで成長させたい」。

野村不・宮嶋誠一社長に聞く/今後の積極投資に意欲/都心の複合再開発に注力

《日刊建設工業新聞》

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