物流デベロッパー・トップの視点(7):三井物産ロジスティクス・パートナーズ、質重視で既存施設を再開発 画像 物流デベロッパー・トップの視点(7):三井物産ロジスティクス・パートナーズ、質重視で既存施設を再開発

マネジメント

 05年に国内初の物流施設特化型REIT(不動産投資信託)として東証に上場した日本ロジスティクスファンド投資法人。同法人の資産運用会社である三井物産ロジスティクス・パートナーズの川島高之社長は、「より良い品質にこだわり、老朽化した所有物件の再開発などで建設会社との協業拡大にも積極的に取り組む」と事業戦略を描く。

 --物流不動産専門のREITの上場から10年がたつ。

 「上場当時の市場には物流不動産を開発するプレーヤーは少なかったが、物流REITの上場や、開発能力が高く、大資本を持ったグローバル企業の参入などにより、物流不動産開発への投資意欲が高まった。どんなビジネスでも自分の強みを生かし、将来へのオポチュニティー(機会)を得ることが重要だ。当社は総合商社グループとして、物の流れに関わる仕事を長年やってきた。そういう意味でもアドバンテージがあり、物流不動産の市場でもフロントランナーでいこうと考えた」

 --保有・運営物件の規模は。

 「保有・運営する物流施設は38物件、資産規模は2000億円にまで膨らんだ。数字の目標は立てず、質重視で事業拡大を図る。売り上げ競争は経営の判断を見誤る恐れがあり、マーケットに左右される経営はしたくない。数・規模を追うチェーン店ではなく、こだわりの限定料理を提供するレストランのようなビジネスモデルを追求していく」

 --当面の事業戦略は。

 「REITの資産運用会社で自ら土地を仕入れての開発はできないが、保有する物流施設の資産価値を高める再開発事業(OBR)を展開し、これまでに2物件で事業が完了した。数字ありきではないが、OBRは2、3年に1件程度のスケジュール感で取り組む。14年12月に再開発が完了した八千代物流センター(千葉県八千代市)では、従来施設に比べて賃貸面積が3倍に広がり、賃貸収益も4倍に高まった」

 --建設コスト高への対応は。

 「価格だけでなく、工期も含めて高い技術力で前向きに、誠実に検討してくれるゼネコンと組み、パートナーとして信頼関係を構築する。テナントニーズを取り込み、施設機能の充実を図りながらも賃料を抑えるため、レンタブル比(延べ床面積に対する賃貸面積の割合)の最大化を図る。ゼネコンに設計・施工一括で任せるケースが多いが、CM会社には入ってもらう。協議の場には当社の1級建築士なども加わり、三位一体で議論することで、技術力や提案力を高めている」

 --建設会社と共同で物流施設の取得・運用から再開発まで一貫した事業にも乗りだした。

 「地域への精通度や信用力といった面に優れる地場ゼネコンなどとパートナーを組む意義は大きい。初弾モデルとして中部圏に拠点を置く地場ゼネコンと共同で、今後の再開発も見据えて愛知県内の物流センターの底地を取得した。将来の再開発のポテンシャルを有する物件を拡充する取り組みの一つだ」
 「将来の再開発に備えた事業スキームとして、今回の初弾モデルを踏まえ、地場ゼネコンなどとの連携を強化したい。首都圏、中部圏、関西圏のほか、札幌、仙台、福岡、広島などを対象に、各エリアで活躍するゼネコンとの連携を模索する。ゼネコン側も投資回収の出口を確保でき、ビジネスチャンスが広がる。常に間口を広げ、最適なパートナーと一緒に事業を展開したい」。
《日刊建設工業新聞》

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