東京メトロ、トンネルなどメンテにiPadアプリを独自開発
IT業務効率
トンネルの全般検査業務では、終電後から始発前までの限られた時間内に、ひび割れや漏水などの発生状況を定期的に調査している。これまでは過去の検査結果が記録された帳票を現場に持参し、新たに記帳した検査結果と、デジタルカメラで撮影した画像を、事務所に戻ってからデータベース(DB)に入力・整理していた。
iPadを導入することにより、現場検査時の手荷物が減り、DBへの入力の手間も軽減される。
新開発のアプリケーションでは、ひび割れや漏水の発生位置、状態などの検査結果をiPadの画面をタップすることで簡単に入力できる。写真撮影を行う際には、同じ画面内に前回検査時の写真が表示され、前回と比較しながら撮影できる。検査結果をiPadからDBに直接転送することで、DBへの入力・整理に要する時間の大幅短縮が図れる。
東西線の中野~南砂町のトンネル区間には、位置情報発信装置(ビーコン)を10メートル間隔で設置。ビーコンから発信される位置情報をアプリケーションと連動させ、検査員の現在位置を容易に把握できる。検査時に確認するべき箇所(前回確認されたひび割れなど)を誤って通り過ぎた場合、アラート(警告)が表示され、検査を確実に行える。
ビーコンについては、東西線のトンネル区間での検証結果を踏まえ、他線への導入を検討していく。検査箇所の見落とし防止のほか、作業員の安全確保など他目的での活用も模索する。
検査は3人編成で実施し、各自にiPadを持たせる。1人が入力した検査情報を、無線通信を介して他の2人の画面にリアルタイムに表示。3人が同じ情報を見ながら検査できるほか、3台のiPadが同じ情報を保有することでバックアップの役割も担う。
東京メトロ/タブレット端末で健全性検査効率化/専用アプリ開発、作業軽減
《日刊建設工業新聞》関連リンク
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