高速道路3社、点検診断の共通資格制度運用へ…義務化も視野 画像 高速道路3社、点検診断の共通資格制度運用へ…義務化も視野

インバウンド・地域活性

 東日本、中日本、西日本の高速道路会社3社は、各社グループなどの点検技術者を対象にした共通の資格制度の運用を開始する。資格の客観性を確保するため、講習・認定業務を高速道路調査会が担当。12月に土木系・施設系の2分野ごとに3ランク(A、B、C)に分けて講習と実技、修了確認試験を行う。有資格者を段階的に現場に配置し、将来は義務化も視野に入れる。運用状況を見ながら、国の技術者資格への登録も検討する。
 老朽化が進む道路構造物・施設の点検診断の品質確保の一環で、3社は「点検実施基準及び資格に関する検討委員会」(藤野陽三委員長)が3月にまとめた報告書を踏まえ、点検資格制度の創設・運用に向けて専門の検討委を別途設け、制度の具体化を検討してきた。
 資格制度では土木系、施設系の2種類ごとにA、B、Cの3ランクを設定。土木・施設構造物とその点検業務に関する能力の習得レベルついて、▽コースA=高度な知識と技術を持ち、点検で指導的立場になる能力(点検計画の立案、報告書等の作成、健全性の診断、施設設備全体の総合評価など)▽コースB=知識と技術を持ち、点検で中心的立場になる能力(点検の実施、個別変状の判定、健全度評価、点検記録の登録など)▽コースC=基礎的知識と技術(点検の実施と個別変状判定の補助、点検記録の登録など)-の各ランクに分けている。
 初年度の講習会は12月8~10日に東京、名古屋、大阪の3会場で行われる。既に申請を締め切っており、土木系、施設系でそれぞれ1000人程度が受講する予定。3社グループで点検業務に携わる技術職のほか、一般のコンサルタント会社などからの受講者もいるという。初回の合格率を見ながら、次年度以降の講習会の実施回数などを決める。
 受講要件は経験年数で区分しており、コースAの場合は高速道路関連の技術職として実務8年、点検(日常、定期、特別)5年の経験が必要。所定の公的資格の保有者は必要な経験年数要件が短縮される。
 講習・試験期間は土木系が3日(コースCは1日)、施設系が2日(同)。初日にコースA~C共通で基本科目の習熟度を確認。2~3日目はそれぞれの専門科目ごとに座学と実技を行う。修了試験で不合格となったコースA、B受講者で、基本科目が一定レベルに達している場合はコースCの修了者とする。各コースの合格者には修了証が発行される。
 修了証の有効期間は発行日から5年目の年度末まで。資格者には有効期限までに更新講習を受講することが求められる。更新講習の内容や試験の有無については今後詰める。
 東日本高速会社の担当者は「国の点検資格登録制度のように鋼橋、コンクリート橋、トンネルなどと細分化せず、道路構造物の総合的な点検能力を評価する資格制度とした。現場での判断力を重視し、体系的に点検技術者を育成する資格制度と運用体制の枠組みが整った」と話している。

高速道路3社/点検診断の共通資格制度運用へ/12月に講習・修了試験

《日刊建設工業新聞》

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