「夏茶臭」抑える新技術 鹿児島県が開発 画像 「夏茶臭」抑える新技術 鹿児島県が開発

インバウンド・地域活性

 鹿児島県農業開発総合センター茶業部などは、カテキンといった機能性成分を残したまま、夏茶特有の不快な香り「夏茶臭」を抑える生葉冷却システムと製茶法を開発した。収穫した生葉をすぐに製茶せず、開発装置で冷却して温度を5度下げ、その後、外気温より10度低い状態で4時間保管すると、夏茶臭は発生しなくなる。この技術を生かせば、二番茶、三番茶など夏茶の品質改善、付加価値向上につながる。
 夏茶は国産茶の年間生産量の4割を占めるが、高温で日差しの強い時期に収穫するため、うま味が乏しく、渋味が強い。葉傷みで品質も低下しやすい。一番茶の3分の1から5分の1の価格で取引される。そこで夏茶の品質向上、価格安定につなげるため、同茶業部と農研機構・野菜茶業研究所、カワサキ機工(静岡県掛川市)、(株)下堂園(鹿児島県)が2013年度から研究を始めた。

 研究を通じ、野菜茶業研究所が夏茶臭の原因となる香り成分を特定。県茶業部やカワサキ機工などが、生葉の保管中の成分変化をコントロールする装置を開発し、夏茶臭の抑制技術の実用化にめどをつけた。

 開発したのは、水の気化熱で生葉の温度を一気に下げる「初期冷却装置」と空調管理で低温状態を保つことができる「生葉冷却保管装置」。まず初期冷却装置と送風で茶を散らすブロアー散茶で、収穫した生葉の温度を5度下げる。その後、生葉冷却保管装置で、外気より10度低い状態(約15~19度)のまま4~16時間保管する。

 保管中の温・湿度、送風量などの条件を変え、さらに過熱水蒸気を利用した「炒(いり)蒸し製茶法」を組み合わせることで、花の香りのする「萎凋(いちょう)香緑茶」の製造や、粉末茶の色沢向上などにも応用できるという。

 県茶業部加工研究室の崎原敏博さんは「カテキンなどの機能性成分への関心は高い。夏茶の付加価値の向上につなげたい」と説明する。

「夏茶臭」抑え質向上 製茶の前に生葉を冷却 鹿児島県が新技術

《日本農業新聞「e農net」》

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