ジビエ「古座川の清流鹿」 和歌山県の施設が近隣からも受け入れ 画像 ジビエ「古座川の清流鹿」 和歌山県の施設が近隣からも受け入れ

インバウンド・地域活性

 和歌山県古座川町のジビエ(野生の鳥獣肉)の処理加工施設が、近隣3町の狩猟者が捕獲した鹿やイノシシの受け入れを始めた。公営の施設が行政区域外から受け入れるのは全国でも珍しい。町は「紀南地域の豊かな自然に育まれた高品質な鹿肉を一定量確保してブランド化し、全国の高級料理店などに売り込みたい」と意気込む。
 町が国の事業を活用して建設した施設で、温泉宿泊施設「南紀月の瀬温泉ぼたん荘」に年間200万円で運営を委託し、3月から稼働を始めた。年間の処理能力は最大800頭に上る。

 町で年間有害捕獲されるのは800頭だが、食肉に利用するのは2、3割にとどまる。施設をフルに活用するため、近隣の自治体や猟友会に声を掛け、今月から本格的に受け入れを始めた。

 日本ジビエ振興協議会の小谷浩治事務局長は「個人の施設では他の市町村からも受け入れているケースはあるが、公営の施設では例がない。他の町の猟友会と連携できたことが大きい」と指摘する。

 こだわるのは肉質だ。狩猟者が捕獲した鹿やイノシシを持ち込むには、町が開く研修会への参加が条件。血抜きの仕方や食肉に向く仕留め方を学んでもらう。搬入は、とどめを刺す止め刺しから2時間以内で、それ以上経過した場合は、ペットフード用として引き取る。

 食肉用の買い取り価格は、精肉時の重量で算出する。1キロ当たり鹿は500円、イノシシは1000円。全国的には生体で買い取り、およその歩留まりで計算する施設も多いが、町産業建設課は「質が問われる精肉で単価を決めることで、狩猟者に品質への意識付けをしている」と説明する。

 冷凍車も施設で持ち、町内での要望に応じて回収する。解体は調理師免許を持ち、牛の食肉処理施設で解体を学んだプロがこなす。注文に応じ、100グラム単位のカットや骨付き肉、長期間熟成などに対応。氷点下30度のアルコールで瞬間冷凍する凍結機も備える。

 品質にこだわった肉は「古座川の清流鹿」と名付け高級ホテルや料理店に売り込んでいる。現在、東京や大阪など16店舗と契約販売。同課は「高品質により単価を確保した販売で利益を上げ、営業マンや専属の捕獲員を確保したい」と模索する。

捕獲獣 町外からも ジビエ施設が受け入れ 和歌山県古座川町

《日本農業新聞「e農net」》

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